◼️お肉について

お肉について③

こんばんは!ジョルノです!今回は「過去の学びの総復習 お肉編」です。よろしくお願い申し上げます。

 

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スーパーや精肉店で安価に販売されている牛肉のうち、輸入肉以外はほぼ「国産牛」である。また、国産牛のほとんどは乳用種と交雑腫とで占められる。

🐮乳用種の肉の利用

 ホルスタイン種やジャージー種などの乳用種は、牛乳の生産が本来の役目である。牛乳は母牛が出産して初めて分泌される。したがって乳用牛は、牛乳を出すために一生のうち10回ほど出産を行い、そのたび300日程度搾乳される。こうして出産を繰り返し、乳牛としての生産性が落ちてきた経産牛(出産を経験した牛)は、廃乳牛として食肉ように出荷される。
これらは肉質が低いため、ひき肉などにされる。
 一方、出産された仔牛は、メスならば乳用牛として育てられ、生後15ヶ月程度で人工授精が施される。オスならば、1部の優れた血統以外は肉質の向上と飼育のしやすさのためにあらかじめ去勢され、その後20ヵ月ほど肥育(状態の良い肉や脂肪をつけさせる育成)して出荷する。あるいは仔牛肉への需要から20週ほど育成されて出荷されることもある。

🐮交雑腫(F1)が作られるわけ

 乳用牛が牛乳を出すためには出産が不可欠だが、生まれてくる講師をより高く取引するために、肉質の向上を求めて乳用種のメスに和牛のオスを交配させた。これを「交雑腫」(F1 一代雑種牛)と言う。乳用種ではホルスタイン種やジャージー種が、和牛では黒毛和種や褐毛和種が用いられる。多くの場合は、ホルスタイン×黒毛和種の組み合わせである。
 交雑腫は、一般的に成長が早く病気にも強い。霜降りになりにくい面もあるが、肉質は乳用牛よりも良い。それだけ高値で取引されることから、生産者の助けになっている。
 なおF1交雑腫には、和牛同士の交雑腫は含まれないので注意が必要である。

 

 

🍖肉用牛の飼育頭数と生産輸入量

 国内に流通している主な牛肉は、和牛、国産牛そして輸入牛である。これらの内訳と、生産量及び輸入量を知ることで、牛肉産業の今が見えてくる。

🐮国産肉用牛の飼育頭数

 国内で飼育されている肉用牛は、おおむね2,800,000頭程度である。そのうち黒毛和牛が約1,800,000頭で、その他のホルスタイン種が約400,000頭、交雑腫が約500,000頭、褐色和牛が2万5000頭である。また県別では一位が北海道で、以下、鹿児島県、宮崎県、熊本県、岩手県、栃木県となっている(2011年の統計による)。

🐮牛肉の生産量と輸入量の推移

 1990年以前、牛肉の輸入量は国内生産量よりも小規模だったが、この後急激に増加することになる。これは、1991年4月にスタートした「牛肉の輸入自由化」によるもので、輸入枠が撤廃されたことで日本市場が完全自由化され、安価な輸入牛が大量に流通することになった。
 この影響は甚大なるもので、翌年の1992年には早くも輸入量が国内生産量を上回る。この時国産牛は、肉質的に競合する乳用牛ばかりでなく和牛までも価格が下落し、酪農業にとって多大なるダメージとなった。
 一方の輸入牛は、2000年のピーク時に、国内生産量の2倍近い量が輸入されるまでに成長。その後は、不景気やBSE(牛海綿状脳症)問題の影響から牛肉離れが進んだことで輸入量が減少しているが、それでも未だ50%以上のシェアを維持している。国内生産量よりも輸入牛の方が多い事は、スーパーなどでの牛肉の品揃えを見ればうなずける。

🍖牛肉の格付け

日本では未来の品質を表す尺度として、日本食肉格付け協会が、全国統一された牛枝肉取引企画に基づいて「格付け」を実施している。格付けは検査員が枝肉をチェックして行い、最終的にA5、C3といった等級印が押される。格付けを行っている理由は、全国各地の食肉卸売市場や食肉センターで、同じ物差しによる公正な取引を行うためである。格付け結果は雌牛や交配に使用する雄牛の選択など、育種改良にも生かされている。
 格付けは「A、B、C」の英字と「5、4、3、2、1」の数字の組み合わせの計15区分で評価される。最も左が最上級となるため、格付けの最上ランクはA5である。それぞれの意味は次のとおりである。
 なお格付けは、品種、年齢、性別に関係なくすべての枝肉に適用されるが、講師には適用されない。また銘柄牛に関しては、この格付けの結果を受けて、銘柄牛として認定するかどうかの判断をしているところも多い。

🐮歩留等級(A、B、C)

 歩留まりとは、「枝肉からとれる肉の割合」である。枝肉から部分肉に解体される際、骨や皮下脂肪が外されるが、そのロスが少ないほど良となる。しかし、実際に全て解体して調べるわけにいかないので、基本データを特別な計算式に当てはめて推定する。
 基本データは、1頭の半分の枝肉の重量と肋骨の6番目と7番目の間を水平に切り開き、胸最長筋(ロース芯)の面積、皮下脂肪の暑さ、バラ部分の厚さをメジャーで測って取得する。こうして、「標準より良い」ならAランク、「標準」ならBランク、「標準より劣る」ならCランクが歩留等級として付与される。
 簡単に言えば胸最長筋が大きく、バラ部分が厚く、皮下脂肪が少ない肉ほどAランクよりになる。歩留等級は肉の質には直接的な関係がない。

 

●参考文献  うまい肉の科学 

 著者 肉食研究会 監修 成瀬宇平

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🍖お肉について②国産牛と和牛の違い

こんにちはー!ジョルノです。本日の「学びのアウトプット」は、「お肉」についてです。よろしくお願いします!

 

 

🐮和牛と国産牛の違い

食肉売り場の牛肉のラベルには、「和牛」「国産牛」「輸入牛」などの種別、「ロース」や「カルビ」と言った場合、〇〇県産といった原産地などが記されています。その中でまず理解しておきたいのが「国産牛」と「和牛」の違いです。
そもそも肉用牛には、黒毛和種や褐毛和種、日本短角種、無角和種、肉専用種、交雑種、ホルスタイン種、ジャージー種、乳用種、そして輸入牛などの種別があります。

🐮和牛とは

このうち「和牛」とは、日本原酒の黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4種と、これら4種間の交雑種のみを指す。和牛は日本が世界に誇る芸術品であり、肉の旨みや風味、柔らかさ、キメの細かさなどをとことん追求し、改良を重ねてきた高級品である。販売の際には、公正取引委員会が認定する「食肉公正競争規約」により、これらだけが「和牛」と表記される。

🐮「国産牛」とは

一方「国産牛」は、国内で飼育されたすべての牛のうち、事実上「和牛」を除いたものを指す。具体的には、和牛以外の肉専用種、肉用種と乳用種の「交雑腫」、乳用種としての役目を終えた杯乳牛、乳用種のオスなどである。また、国内での飼育期間の方が長い外国産も国産牛となる。国産牛の魅力はなんといってもその安さ。上等な肉もあるが、比較的手ごろな価格で口にできると言う意味で庶民の強い味方である。

🐮牛肉の王様「和牛」の種別

牛肉の中でもとりわけ血統が管理され、行き届いた環境で丹精込めて肥育されるのが和牛である。ビールを飲ませて1年刺激を与えるなど、様々な工夫をこらされる。和牛には、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種と言う差別がある。

🐮黒毛和種(全国)

小型で成長の遅かった在来種に、明治末に導入したシンメンタル種やエアシャー種、ブラウンスイス種などの外国株を交配させ改良したもので1944年に命名されている。
前回は黒の単色で、毛、角、蹄などがいずれも黒く、毛先は褐色を帯びている。和牛4品種の中で最も体格が小さい。黒毛和種の最大の特徴が脂肪交雑(霜降り)である。筋繊維が細く、飼育によって脂肪が筋繊維の間に細かく沈着し、大理石のような肉断面を形成する。松阪牛や米沢牛、神戸ビーフ(但馬牛)など名だたる優良銘柄が黒毛和種であり、「和牛と言えば黒毛」「極上の牛肉と言えば黒毛和牛の霜降り」と言うイメージが定着した。現在、和牛全体のうちの黒毛和種の割合は95%以上とほとんどを占めている。

🐮褐毛和種

熊本県と高知県で改良されてきた品種である。古来に輸入された朝鮮牛をもとに、明治時代以降、熊本県ではスイス原産のシンメンタール種や、イギリス原産のデポン種、高知県ではシンメンタール種や、朝鮮牛と交配され改良された。
熊本県の褐毛和種は、「熊本あか牛」として知られ、阿蘇の外輪山(阿蘇市、産山村、南小国町)を中心に大自然の中で放牧されている。高知県の褐毛和種は、「土佐あか牛」として知られ、高知県の山間部で主に飼育されている。
褐毛和種は、骨太で体格も良く、おとなしくて飼育しやすい。寒さ暑さにも強く、成長も早い。牧草を好む。肉質としては脂肪分がほどよく含まれた柔らかな赤身系で、旨味や香り、柔らかさ、ヘルシーさの観点から見ても、絶妙なバランスを有している。

🐮日本短角種(岩手県 青森県 北海道)
 

東北地方北部原産の肉用種の南部牛に、1871年にイギリス原産のショートホーン種を交配し、改良された牛である。毛色は褐色だが、濃淡はさまざまである。主産地は岩手県・青森県・北海道ガ中心で、特に岩手県に飼育農場が多い。飼育は「夏山冬里」方式である。すなわち、北上山地が春を迎えると5月〜10月にかけては牧草を食べてのんびり過ごし、秋になると里におり、冬は牛舎で過ごす。放牧中はオスの牛が一頭放たれ、発情期をメスと自然交配する。受胎した母牛は二月になると里で出産し、春になると子牛とともに8カ月間牧草地で過ごす。
○身体の特徴:毛色は褐色である。肉質は低脂肪の赤身系でアミノ酸をたっぷり含み、肉本来の香りとうまみが楽しめる。しかし日本短角種の飼育数は数百頭程度となっており、イタリアのスローフード協会からは希少な食材を支援する「味の箱舟」として認定されている。

🐮無角和種(山口県)
 

山口県で飼育されている貴重な品種。大正時代に山口県阿武郡NI在来していた和種を、スコットランド原産のアバディーンアンガス種と交配して誕生した。無角和種は成長が早く、飼料の利用性も高いことから一時は数を伸ばしていたが、黒毛和牛の勢いに押され減少へと転じ、いまや一万頭程度である。絶滅が危ぶまれる中、再復興をかけて1944年に無角和種振興公社を設立。繁殖センターで新たな生産流通システムの構築にとり組んでいる。
○身体の特徴;毛色は黒の単色で、名称どうりつのがない。体全体は小柄で丸みを帯び、体の幅がある。肉質は低脂肪の赤身系で極めてヘルシー。肉のうまみと香りを堪能できる。

🐮純粋な日本在来種
 

和牛は少なからず外国産牛の影響を受けているが、純粋な日本在来種もわずかながら存在する。1つは、山口県萩市見島で飼育されている天然記念物の「見島牛」だ。また、ホルスタインとの交雑種となる 「見蘭牛」という品種もある。年間数10頭と希少だが、これらは食肉としても販売されている。もう一つは鹿児島県鹿児島郡十島村のトカラ列島 口之島に生息している口之島牛だ。放牧していた牛が野生化したものだが、名古屋大学で飼育されていて、年間数頭が 「設楽ヘルシービーフ」として明大祭などで販売されている。なお、2008年から上野動物園でも見島牛の雄「初春」と口之島牛の雌「桜」を飼育中である。

 

 

●参考文献  うまい肉の科学 

 著者 肉食研究会 監修 成瀬宇平

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🍗お肉について①

 歴史 概要

 

明治時代以降わが国は食肉利用に関しては先進国とも言える欧米に追いつくことを目標に、食肉の利用について色々と努力してきた。幕末から明治時代にかけては牛肉を食べることが文明文化人としての1種のステータスでもあったようだし、牛鍋を食べながら日本の将来について語ることが当時の進歩的人間のスタイルでもあった。

第二次世界大戦後に日本の社会に入り込んだ欧米の各種の文化文明は日本の文明文化の面ばかりでなく、経済面における急速な発展に貢献した。「主食は米、主菜は魚、あるいは一汁一菜」と言う長い伝統のある日本型食生活の中に、第二次世界大戦後は食肉料理を含む欧米の多種多様な食文化が導入されるようになった。

第二次世界大戦の前の好況期における年間の食肉消費は合計で約190,000トンであった(1937年の統計による)。戦後10年余りの1957年の食肉消費量は320,000トンでわずかな増加が見られた。その後1990年までには食肉消費量が年々急激に増大している。昭和10年代までの食肉消費の傾向は鶏肉が多かったが1970年以降の食肉消費の傾向は豚肉や鶏肉ひつじ肉の消費が多かった。牛肉の消費量が著しく多くなったのは1990年以降である。食肉の消費の総量が著しく増大したのは東京オリンピックが契機となっていたのだ。

日本国内の食肉の消費量の増大は日本国内の家畜の生産者が増えたためではなく、畜産関係者が家畜の改良や生産性の向上に向けて努力した結果、大量の肉類が供給できるようになったからだ。大量の飼料と肉類を外国から輸入し、日本人の食生活に関与していたのである。

肉類の輸入は第二次世界大戦後まもなく始まり、様々な要因が重なって農作物と同じように自給率が低下した。1962年にはひつじ肉と鶏肉の貿易自由化が始まり、1971年には豚肉の貿易自由化、1991年には牛肉の貿易自由化が始まった。そして新鮮な卵と牛乳を除く畜肉食品の大部分は諸外国から輸入すれば良いと言う政治的政策も関与したために、肉類の自給率は1991年には67%であったのが1997年には56%にまで落ちてしまった。

その後鳥インフルエンザや牛のBSEが世界的な問題となり、日本も外国からの食肉の輸入を制限したり、禁止したりした。日本国内では食の安全安心が重要視されるようになり国内産の食肉が注目されるようになった。「安心安全」に加えておいしさを求める傾向になったため、畜産関係者は日本人が好むおいしい肉の生産について飼料や品種、環境、飼育の方法などに工夫するようになり、日本の食肉は品質いやおいしさの面でも世界的に高く評価されるに至っている。

近年の一人当たりの食肉摂取量の増加は畜肉脂肪の増加を伴い、血液を含む人間の体内の中性脂肪の増加やコレステロールの増加と関連し、結果的には心臓疾患を発症する原因であると言われている。そのために食肉摂取を少なめにする人もいる。しかし食肉摂取と人間の健康に関連に関する数多くの食肉摂取の有用性も明らかにされてきた。特に食肉の生理活性物質の中でも学習効果や脳神経の活性成分について明らかになっている。
機器分析の発達により熟成や貯蔵調理におけるおいしさのメカニズムも明らかになってきている。

日本における食肉の歴史

日本における肉のルーツを探っておく。日本列島に人類が登場した旧石器時代、人々の食生活は採集や狩猟、漁労といった生産活動により支えられていた。いつごろから畜産が始まったのかは定かではないが、最近の考古学的研究によれば、すでに縄文時代には食用として猪が飼育されていた可能性があると言う。また、弥生時代の遺跡からは飼育の痕跡を残すイノシシの歯や骨が多数出土しており、この時代に広い意味で豚の飼育が始まっていたことは間違いなさそうである。さらに時代が進んで、鳥が家禽となったのは5〜6世紀ごろで、奈良時代にはキジや鴨、うずらも飼育するようになっていた。7世紀の大化の改新後、仏教伝来により肉食が禁じられた事は日本の食文化に大きな影響与えた。天武天皇が布告したら最初の肉食禁止令は1年のうち4月から9月まで牛、馬、猿、犬、鶏の5種類の肉食を禁ずると言う限定的なものだった。

禁止令に含まれない動物や鳥類は相変わらず食用とされ、特に鹿肉や猪肉は古代から中世の京都で大いに食されたようである。しかしこの禁止令が、殺生を嫌う仏教思想と結びつき肉食への嫌悪感を日本人に生じさせたことも事実である。この種の公権力による肉食の制限は形を変えながら明治に至るまで続いた。だがそのような時代にあっても狩猟したり家畜や家禽の飼育をしていた人々はいた。
また、様々な理由をつけて人々は肉を食べていた。禁じられると食べたくなるのも人間の性である。そこから郷土料理が生まれ、地方の特産品になっている例も少なくない。
明治維新になり、これを契機に急速な近代化を目指した日本は瞬く間に西洋文化の洗礼を受けた。食生活や料理にも近代化の波が押し寄せ、次に明治5年明治天皇が肉食の解禁を宣言する。日本人はこの日から後ろめたさを感じることもなく堂々と牛肉や豚肉を食べるようになったのである。

上記のように日本人と肉との本格的な付き合いは海外に比べれば始まったばかりだ。そんな中において庶民の間で連綿と続いてきた未来との付き合いがある地方ごとにこの辺の状況をひもといておこう。

山間部と猪肉

明治時代に肉食が解禁されるまでは、一部では猪肉を「薬食い」として珍重していた。「薬食い」は食べると体が温まることからそう言われる。猪肉を出す獣肉店は、「ももんじ屋」または「けだもの店(だな)」と言われていた。獣肉禁止の時代、猪肉は「山鯨(やまくじら)」や「牡丹(ぼたん)」の隠語で呼ばれていた。

こうした店は、店先に「山くじら」の看板を掲げていたとされる。現在も両国に「ももんじゃ」という店舗が残っている。兵庫県の丹波地方と神奈川県の丹沢地方は、郷土料理として野生のイノシシ鍋(ぼたん鍋)が食べられることで有名である。

北海道と羊肉🐏羊は日本でもっぱら羊毛の生産家畜としての歴史が長く、食用として利用されるようになったのは近年である。ひつじ肉には特有の臭みがあるため、食糧事情の悪い時代には醤油ベースのタレにつけ込むなどして、焼肉として利用していた。その時に食されたのはオーストラリア産の輸入ひつじ肉が主であった。

羊肉料理は特に北海道出身者や、過去に北海道で生活した経験のある人に好まれる。北海道では羊の飼育も盛んであり、全国の飼育頭数の約半数が飼育されている。最初は羊毛生産のためであったものが、マトンを食材としたジンギスカン鍋が人気となり、肉が食べられるようになった。相乗的に肉用羊の飼育も行われるようになったと考えられる。ひつじ肉はマトン(成羊肉)よりラム(子羊肉)の方が臭みもなく柔らかいので西洋料理の材料として多く利用されている。脂肪分が少なくヘルシーである。またタンパク質が多いので健康食材として今後も需要が高まるものと考えられる。

東北、関東の豚肉

昔は関東や東北地方の肉料理では豚肉を使うことが多かった

例えばすき焼きでもあえて断らなければ豚肉が使われた。やがて、文明開花とともにすき焼きの元祖とも言われる牛肉料理「牛鍋」が登場し、瞬く間に牛肉が普及することとなった。ちなみに、関東や東北地方で豚肉を用いることが多かったのは、豚は小規模飼育が容易であり牛よりもはるかに手に入りやすかったためと考えられる。

鹿児島の豚肉 

鹿児島で飼育されている豚と言えば黒豚である。中国から琉球を経て薩摩に伝えられた。特に九州の武士や蘭学者、蘭医が豚汁を好み薩摩汁の名で、江戸にも広められている。また長崎で学んだ司馬江漢は夜食として食べた煮豚のおいしさに驚いたとの記録がある。それから、15代将軍徳川慶喜は豚肉が大好きで、「豚一様」豚凹男などと呼ばれていたと言う逸話が残っている。

関西と牛肉   

食肉用和牛の飼育が本格化したのは1867年に神戸港が開校し外国人居留地での牛肉需要が高まった明治時代以降である。中でも但馬牛は遺伝的に脂肪交雑(霜降り)が豊かであったため、兵庫県ほか、三重県、滋賀県などでも基牛として用いられ、「神戸ビーフ」「松阪牛」「近江牛」などの高級銘柄を育んだ。但馬牛の優れた資質は、全国の銘柄牛の多くにも継承されている。

名古屋 宮崎と鶏    

日本に鶏が導入された時代は定かではないが、平安時代から江戸時代初期にかけて、中国大陸や東南アジアから、食用や戦闘用(軍鶏)、愛玩用(尾長鶏)の新種が入ってきたとされる。現在の鶏肉のほとんどはブロイラー(食肉用の雑集鶏)である。
 鶏の中でも「ナゴヤコーチン」として知られる銘柄は有名である。明治初期に名古屋地方の在来種と、中国のバフコーチン種を交雑した鶏が原種となっている。その後、褐色レグホーン種や、ロードアイランドレッド種を交配し、卵もよく産むように改良された。
 宮崎県は畜産間として有名であるが、牛や豚と並んで鶏にも地域活性化のために力を入れ、「宮崎じとっこ」で全国的にには鶏肉の生産地としての地位を確立している。

肉の状態の変化と熟成

市販されている生肉は利用しやすく処理された食材となっているが、その前は生きていた動物である。悪を極めるならば、生前にも興味を持つべきだが、ここでは、屠畜後の肉について説明しておく。
 屠畜されて間もない動物の筋肉は、生きている時と同様に柔らかい。しかし、1〜2時間も経過すると次第に伸縮性のない硬い筋肉へと変化していく。この状態が死後硬直である。死後硬直が始まるまでの時間は、状態によって変化するが、牛肉は1日程度、豚肉は半日程度、鶏肉は1〜2時間程度である。また、外気温が低いほど遅くなったりもする。
 さらに時間が経過すると、半日から数日かけてゆっくりと硬直が解けていく。これを解硬と言う。解硬し、軟化すると、筋肉の中にあるATPからうまみ成分として知られるイノシン酸が生成される。ATPとは、動物にとってのエネルギー源で、ATPが無機リン酸とADPに分解される生際に生じるエネルギーである。我々も動物も、このATPの力で筋肉を動かしたり、新陳代謝を行っている。こうした成分が、徐々にうまみえと変化していくのである。

熟成による旨味の生成   

 死後硬直が解けた肉を貯蔵しておくと、今度は熟成の過程に入る。熟成とは、自然に筋肉組織が崩壊し、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の力によって、筋肉のタンパク質からうまみ成分(ペプチド、アミノ酸)が生成されることを言う。熟成された肉はフレーバー(風味)が向上し、うまみが増す。一概には言えないが、熟成には概ね、牛肉は1週間から2週間、豚肉は1週間前後、鶏肉は半日から1日間程度を要する。

🍖「肉は腐る寸前がうまい」は本当か?

 熟成が進みすぎるとイノシン酸が分解されて減少する。今度は腐敗菌が増加し、するとアミノ酸類が腐敗臭のあるトリメチルアミンに変わり、腐敗菌も増加する。「肉が腐る寸前がうまい」と言う文言があるが、これは、腐敗前の熟成された時点を意味している。本当に腐敗した肉は食べられない。
 なお、精肉店では通常、熟成された食べごろの生肉が陳列されている。したがって、購入後は新鮮なうちに食べることが望ましい。特に鶏肉は足が速い(腐りやすい)ので、鮮度が高いうちに調理すべきである。

肉のうまさの決め手は、見た目と食感、味、香り

 肉は非常に食欲がそそられる食材である。それは、見た目、食感、味、香りといった要素がもたらすものであり、これらのハーモニーによって美味であるかが評価される。それぞれの項目について見ていきましょう。

🍖肉の赤みはミオグロビンが影響する 

 肉の色は単に食欲をそそるだけでなく、種類を見分けることや、鮮度を知る上で大切な情報である。その肉の色だが、鶏肉はピンク、豚肉や牛肉は鮮やかな赤、さらに馬肉や猪肉は濃い赤といろいろである。濃淡の違いは次に起因する。
 動物の肉は、生前、血液中のヘモグロビンによって色が決定する。しかし、死後ヘモグロビンが失われていくと、別の色素の影響が大きくなる。それがミオグロビンと言う色素タンパク質である。ミオグロビンはヘモグロビン同様に鉄を持ち、酸素を蓄える役割がある。ミオグロビンの含有量は、動物種、年齢、部位によって異なるが、基本的には量が多いほど赤くなる。また、ミオグロビンは運動量が多いほど含有量が多いので、活発に動かす部位ほど色味は濃くなる。
 ミオグロビンの鉄は酸素に触れることで酸化による退色が起こり、さらに進むと褐色になる。豚肉などに比べて、特に牛肉はこの傾向が強い。酸化は、高い温度や日光、食塩などの調味料によっても促進する。肉の退色を防ぎたければ、酸素との接触が少なくなるよう対応する。簡単なのは、ラップや晒しで包む、といった方法である。薄い高級牛肉が1枚ずつパックされているのも、酸化を防ぐためである。逆に、真空パックされた冷凍牛肉を解凍すると、退色状態から鮮やかな赤色へと変化する。これは外気に触れて酸素が供給されたためである。もちろん、退色しているだけならば品質には問題ない。

🍖肉の味と食感を決定する要因   

 肉の旨味はペプチド、アミノ酸、イノシン酸によってもたらされる。他にも乳酸や無機塩類、還元糖、などが関係する。ただし、見た目や食感を除いた肉本来の味で言うと、違いはさほどない(我々が肉の味と言う場合、多くは調味料の味である)。実は、肉の味を強く引き立たせるのは脂肪である。脂肪と言うと太るイメージがあるが、あまり少ないとお肉のおいしさも損われる。
 脂肪には、厚い塊となった皮下脂肪と、筋肉組織に入り込んだ脂肪交雑がある。後者が霜降肉であり、白い脂肪が均一に混じっているものほどグレードが高い。日本では、特にこの霜降肉が珍重される事は言うまでもない。
 脂肪は食感にも関与する。例えば、脂肪は動物によって構成脂肪酸(脂肪を構成する有機酸。パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸など)の含有量が異なる。これが脂肪の融点の違いとなり、舌触りなどに影響する。部位によってばらつきはあるが、概ね牛肉の脂肪の融点は40度から50度高く、豚肉は35度から45度で、鶏肉は最も低く30度から35度。鶏肉の脂肪は下の温度で溶けるため、牛肉や豚肉に比べて冷めても食べやすい。

🍖肉の香りは赤身と脂肪が影響する

 肉にとって、味同様に重要なのが香りである。コクのある香りは肉の旨味を大いに引き立てる。逆に香りの少ない肉は食欲がそそられない。輸入牛よりも和牛が好まれるのは、香りの強さの違いだと言う指摘もある。鮮度の落ちた肉は香りが低い。
 肉を加熱すると香りが発生するメカニズムは「アミノカルボニル反応」と言う変化が起きるためである。ここで、アミノ酸やペプチド、糖分などの成分が、ローストの香りや肉のスープの香りを発生させる。肉の香りの本は芝生の中にも存在する。主な成分としては、中性脂肪やリン脂質がある。その他、タンパク質、アミノ酸、糖などにも含まれる。
 加熱後の肉の香りからは、こうした成分が1000種以上も検出される。それぞれの肉の香りを言葉で表現しづらいのは、こうした複雑さや奥深さによるものである。

肉の購入と保存方法

🍖肉を購入するときの注意  

 肉は、価格が安いとついつい大量買いしてしまいがちだが、生鮮食品であるためできるだけ必要な分だけ購入し、早めに使い切ってしまうのが基本である。また空気に触れる面が多いほど、鮮度は急激に落ちる。したがって、薄切り肉よりもブロック肉の方が長期保存が可能である。なお、ひき肉は保存に向かないので早めに使い切ること。

🍖肉を冷蔵庫で保存するときの注意    

 肉を使いきることができず、やむなく冷蔵庫で保存するときには、できるだけ空気に触れないように密封する。ラップフィルム、保存用パック、アルミホイール等を利用するのが良い。また、冷蔵庫の中でも温度が低い場所に保管する。いずれにしても鮮度が保てるのは牛肉で5日から6日、豚肉で3日から4日、鶏肉で1日から2日程度と考えておきたい。

🍖チルドルームのある冷蔵庫  

 近頃は、シールドルームが備わっている家庭用冷蔵庫も多数ある。チルドルームとは、鮮度を保つのに最も適した、凍る寸前の温度(0度からマイナス1度)を維持しているスペースである。さらに、製品によっては「真空チルドルーム」が備わっており、参加するのも防いでくれる。

🍖肉を冷凍で保存するときの注意  

  肉の冷凍保存で大敵なのは水分の蒸発である。これを防ぐためには、やはり肉に対してラップをしたり、保存用バックに入れる。また、素早く凍らせるためや利用しやすくするために小分けにする。この時折れている肉はまっすぐにしておこう。なお、冷凍保存可能な期間は1ヵ月程度である。
 冷凍した肉を使用する際は、時間をかけて回答する。急ぐと細胞が破壊されドリップが出やすくなる。急ぎの時は電子レンジの回答機能を利用するのが良い。

🍖痛みが進んでしまった肉について    

 鮮度が落ちて痛みが進んだ肉は退色し、やがて腐敗臭を発生する。ここまで不具合が進んだ肉は当然ながら食べるべきではない。そうならないように、早めに利用するべきである。なお牛肉の場合には、空気にさらされている部分がすぐ退色するので、痛みが進んでいるものと勘違いしがちである。腐敗臭がしていなければ問題は無い。

参考文献  うまい肉の科学  著者 肉食研究会   監修 成瀬宇平

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参考文献  うまい肉の科学  著者 肉食研究会   監修 成瀬宇平