◼️イタリア料理について

🇮🇹イタリア料理について③庶民料理はパンから始まった

イタリアと言うとパスタが主食のイメージがありますが、日本のご飯にあたるのはパンです。地元でとれた小麦粉を使って焼き上げたパンはいわば「地産地消」、その土地で生産されたものを地元で食すと言うイタリア人の魂の込められた食べ物なのです。

紀元前、版は文明の象徴でした。ポンペイの遺跡にはパン屋さんの跡が残っています。キリスト教が入ってくると、ワインがキリストの血、パンは肉を表し、聖なるものとなりました。食卓のシンボルとも言える版ですから、地方の文化や社会的なバックグラウンドを持ったパンが各地にあります。南部ではデュラムセモリナ粉と水で作ったパンや、大きな釜で焼く大きなパン、中部では軟質小麦を使った塩を入れないパン、北部山岳地帯では小麦が取れないのでライ麦を使ったパンなどがあります。その地域だからこその製法が残っているのは、祖先の遺産としてのパン作りを大切にしている証といえます。ここでは、日本人にもなじみのあるパンを紹介します。パンの名前は形状を表したものが多いことがわかります。

フォカッチャ

ふんわりしていて噛みごたえのあるパン。リグーリア州生まれですが、現在は各地で見られ、オリーヴ油を入れたり、ハーブをのせて焼いたり、食感もトッピングも様々。


ロゼッタ   

小さなバラと言う意味でその形から名付けられました。真ん中は空洞で周りの皮はパリパリとしています。テーブルロールに使われたり、具を挟んでサンドイッチのようにして食べます。ローマを代表するパンです。

グリッシーニ

パンの生地を細長くのばして焼いたカリカリと香ばしい棒状のパン。おしゃれにハムを巻いてグラスに飾ったりもするイタリア最北部ピエモンテ州鳥ので誕生したパン。

チャバッタ

スリッパや靴の中敷きと言う意味の平べったい形のパンです。グルテンの多い小麦粉を天然酵母で長時間発酵させて作り、表面はカリッとしていて、中がしっとりしているのが特徴。ヴェネト州ロヴィーゴで作られ全土に広まった。

イタリア色硬くなったパンの使い切りアイディア

パンにはふっくらと柔らかいものを食べるだけではなく、パンを焼いた後の余熱でもう一度乾燥させ長期保存用にしたり、硬くなったものを無駄にしない調理法がたくさんあります。

①硬くなったパンを牛乳に浸して柔らかくし、レーズンや果物の砂糖漬けなどを混ぜて、型に入れて焼くと美味しいケーキになります。

②硬くなったパンをチーズおろしですりおろすとパン粉になりますこれをニンニクとオリーヴ油で行って粉チーズのようにパスタにふりかけて食べます。

③硬くなったパンをすりおろして、その中にサラミやチーズを細くして入れ丸めて油で揚げます。山岳地域のご馳走です

◉参考文献  成美堂出版「一番優しいイタリア料理」=======================================
トラットリア バール ジョルノ【イタリア食堂 ジョルノ~Trattoria Bar Giorno~Dal 2010.】
◉北堀江1丁目/四ツ橋駅徒歩5分/2010年開店
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◉参考文献  成美堂出版「一番優しいイタリア料理」

 

🇮🇹イタリア料理の常識非常識②

こうすれば好感度アップ!の食卓マナー

🌱スパゲッティーのような細長いパスタをフォークで食べるのは、イタリア人でも下手な人がいる位で少し難しい話だと言えるかもしれない。

🌱イタリアでは、ごく小さい子供にはナイフで切って食べさせたり、給食には食べやすいショートパスタを出したりと言う工夫をしている。

🌱アメリカ人は大人でもスパゲッティーを切って食べる人が多いようだが、大人はやはり巻いて食べてほしいと思う。 

🌱食べ方のコツは、スパゲッティーを人にすくいすぎないこと。たくさんすくうと、うまく巻き付かないし、仮に巻きついたとしても大口を開けないと入らない大きな塊になってしまう。フォークの歯の方がは日本だけで救って巻けば、引っかかるのがちょうど4.5本。きれいに巻きつくから、ずっとすすらなくても済む。

🌱それから、さらに残ったソースをパンで拭って食べることの是非。「おいしかったと言うメッセージを表すからいい」「皿をなめたようで見た目も所作も美しくないから無作法」。フランス料理、イタリア料理を問わず、日本の人の間ではいろいろな憶測が飛び交っていた。

🌱これは、上品でない事は確かである。イタリア人の中でもマナーに敏感な人は、家ではやっても、レストランのような公の場では絶対にしないと言う。第一、高級レストランではソースたっぷりの料理は出てこないし、特にパスタは、食べ終わった時にソースが残るようでは作り方が悪い。麺に対してソースが多すぎるか、ソースの濃度が足りなくて麺にうまく絡んでいないかのどちらかである。食べ終わった時にソースもきれいになくなっているのが理想のパスタである。

🌱強いて言うのであれば、なじみのトラットリアやオステリアのような気楽な店で、親しい仲間が集う会食であれば許されるでしょう。その場合も、片手にフォーク、片手にパンのかけらを持ってさりげなくすくって食べればあまり見苦しくは見えない。

🌱ワイングラスに口紅やソースがべったりつくのは気持ちの良いものではありません。イタリア人はワインを飲む直前にナプキンで指と口を脱ぐのが習慣化されている。女性は食事前に化粧室で口紅を押さえておくのが礼儀である。グラスにべっとりついた口紅の跡を指で脱ぐのは不衛生だし、所作も美しいとは言えないでしょう。

金太郎式ナプキンはマナー違反か?

🌱日本のテーブルマナーでは、ナプキンは膝の上に置く、と教えている。

🌱イタリアでもナプキンは膝の上に置くのが普通ですが、スパゲッティーのようなロングパスタを食べる時、襟元にさっとかけ直す人がいます。上手に上品に食べても、ロングパスタはソースが飛び散る危険があるからです。スーツでびしっと決めたサラリーマンがレストランで突然、金太郎スタイルになることも珍しくありません。上品なご婦人も然り。

🌱もちろん、絶対に飛ばさずに食べられる方は膝の上に乗せたままでオーケー。でも自信の無い方の場合、大事な洋服を汚すまいといらぬ気を使う位なら、堂々と金太郎になるべし。

リゾットはフォークで食べるもの

🌱ピラフやカレーライスなど、平皿に盛られたご飯ものはスプーンですくって食べるのが当たり前の日本人。イタリアに行ってリゾットを注文したのにフォークしか用意されないのを見て、パスタの注文と間違えられたのかな?と思った人もいるかもしれない。

🌱リゾットはフォークで食べて大丈夫。

🌱本物のリゾットはピラフなどよりずっと粘り気があり、米粒同士がくっついているからフォークの溝からすり抜けることがありません。

🌱スプーンのようなカーブがない分、救いやすい位である。手首のスナップを聞かせなくても、すっと差し込むだけで米粒がたっぷり乗るので最後のひとつぶまで簡単に食べられる。

🌱最初にフォークでリゾットを平たく広げ、すくいあげる。これがより食べやすくするためのコツである。フォークから米粒が抜け落ちるようなら、それはリゾットとは言えない代物である。

🌱イタリアにフォークが持ち込まれたのは中世の11世紀頃。しかし、初期の2本歯や、3本歯のフォークでは溝が広すぎて救えず、4本場ができてからリゾットにも使われるようになった。それ以前はスプーンで食べていた。

◉参考文献 柴田書店 エル カンピドイオ 吉川敏明著
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🇮🇹イタリア料理の常識非常識①

食事のマナーと食習慣

リゾットはフォークで食べるもの

ピラフやカレーライスなど、平皿に盛られたご飯ものはスプーンですくって食べるのが当たり前の日本人。イタリアに行ってリゾットを注文したのに、フォークしか用意されないのを見て、パスタの注文と間違えられたのかな?と思った人もいるかもしれません。米粒をフォークで食べたら、隙間からボットボット落ちて食べにくい、と最初は思います。しかし、食べてみればそんな心配はどこへやら。フォークで10分、用をなすことに気がつきます。本物のリゾットはピラフなどよりずっと粘り気があり、米粒同士がくっついているからフォークの溝からすり抜けることがありません。帰ってスプーンのようなカーブがない分、掬いやすいからです。手首のスナップを聞かせなくても、すっと差し込むだけで米粒はたっぷりなるので、最後の1粒まで簡単に食べられるんですね。最初にフォークでリゾットを平たく広げ、すくいあげる。これが、より食べやすくするためのコツです。もし、フォークから米粒が抜け落ちるようなら、それはリゾットとは言えない代物です。

パスタをズルズルするべからず

日本のおそばは、勢いよくズズーっと豪快な音を立ててすすります。それが粋で、もそもそ食べていたら気色悪いと日本人は思うでしょう。そのように育ったから、同じ長い麺のラーメンも、スパゲティーも、ズズーっとすすってしまう。でも、イタリアでこれをやったら大変。レストランだったら、周りのイタリア人は露骨に反応します。苦々しい顔、あきれ顔、嘆きの顔でこちらに振り向くこと必至です。日本人にとっては、そこまで嫌うかと感心するほどに、現代のイタリア人にはこの音がたまらなくおぞましいのです。スープも同じく、吸い込む時にずっと音を立てるのはダメ。日本の蕎麦屋に入ったイタリア人が、ズズーっの大合唱にいたたまれなくなって、食べる前に店を飛び出したと言う話があるそうです。日本人にとっては笑い話ですが、イタリア人には神経がおかしくなるほどの切実な状況だったんでしょう。日本でも、くちゃくちゃ音を立てて噛んだり、食べながら大口を開けて話したりするのははしたないと言うマナーはしつけられていますから、共通認識はあるはずなんです。でも、蕎麦の習慣がついスパゲッティーに出てしまう人が多いんですね。郷に入れば郷に従え。ここは無音でスパゲッティーを食べるように心しておきたいものです。実は、蕎麦も、江戸時代には音を立てて食べるのが、はしたないとされていたそうです。唯一の例外は新蕎麦で、香りを楽しむために多少の音は許されたとか。それが年中のこととなったのは明治に入ってから。寄席で噺家が擬音でそばを食べる場面を演じたことで一般にも広まったと言う説があるそうです。

スパゲッティーはスプーンを添えて食べるのが上品?

最近はレストランで見かけることが少なくなってきましたが、一時期スパゲッティーを食べるのにスプーンを添えるのが流行りました。1990年代頃だったでしょうか。スプーンのくぼみにスパゲティーをのせてフォークでくるくると巻く。そのまま口に運べば、適量のスパゲティがうまい具合にフォークに巻きつくし、ソースがはねずに食べやすいものです。流行った当時は、これが本格的なイタリアのスタイル、といった風潮があって、上流階級のお上品な食べ方だと思った方も多かったようです。映画でも、スプーンを使っているシーンが確かにありますもんね。でも、これはイタリアでは一般的ではありません。シチリアの一部で定着しているだけで、おそらくアメリカに渡ったシチリア移民を通じて広がり、それが日本に輸入されたんだと思います。でも、北イタリアの人間からすると、大人がスプーンを使っていてパスタを食べるのは良いイメージがなく、田舎臭い、といいます。そして、巻くのが下手だからスプーンなんぞを使うんだと。日本人の思い描いていた上品な世界とは、まるで捉え方が違うのです。
スパゲッティーにスプーンを使う習慣が一部で生まれたのは、昔トラットリアではフォークなどと一緒にスープ用のスプーンもテーブルにセットしていたことが背景にあります。そして、スパゲッティー料理といえば、麺の上にソースをのせて出していたため、お客自ら粉チーズをかけ、フォークとスプーンで混ぜることが多かったのです。フォークだけより、断然混ぜやすいですからね。そのまま食べる段階になってもそのままスプーンを使ったわけですね。
スプーンを使えばソースが跳ねにくいのは事実ですから、家で食べる時は自由に使って良いと思います。実際、日本のある調査では、たまに使う店を含めて、使う派がわずかに上回っていたようです。でもレストランで用意されていないからといって、サービス不備だとは思わないようにしましょう

◉参考文献 柴田書店 エル カンピドイオ 吉川敏明著

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🇮🇹イタリア料理について② イタリア料理のコース構成

イタリア料理は一般的に第1番目の皿(プリモピアット)、第二番目の皿(セコンドピアット)、デザートの3点で構成され、このメニューの前に出される料理をアンティパスト(前菜)と呼んでいます。リストランテではその前にストゥッツィキーノと呼ばれる「お通し」のようなものが出ることもあります。

①アンティパスト(前菜) antipasti

「食事の準備ができるまでの間につまむもの」が本来の意味。その場の雰囲気を良くし、食欲を増進させるもので、後の料理に触らないような量です。冷製と温製があり、肉や魚、野菜を使ったものなど、種類は豊富。イタリアにはハムやソーセージなどの肉加工品も豊富なので、それを盛り合わせたものが出されることもよくあります。

②プリモピアット(第1番目の皿) primi piatti

プリモピアットには、スープ類、リゾット、パスタ料理などがあります。ソースで和えたパスタ、米を使った料理は何種類もあり、ボリュームもあります。他の国では添え物的なことが多いのですが、イタリア料理では独立した皿で、これがイタリア料理の特徴でもあり魅力になっています。

③セコンドピアット(第2番目の皿) secondi piatti

お肉、魚などの料理でメインディッシュに当たります。料理自体はシンプルなものが多く、地方によりいろいろな調理法があります。イタリア料理と言うと魚介と言うイメージがありますが、それはナポリなど海沿いの観光地の料理で、イタリア全土ではありません。海沿いでは魚料理、内陸では肉料理など、その土地でとれる食材を使った料理が発展しました。

④ドルチェ(デザート) dolci

イタリアのデザートは焼き菓子の様に日持ちするものがたくさんあります。豊富な果実や蜂蜜など上質な材料が手に入るので、素朴で慈しみ深い味わいが魅力です。南部の揚げ菓子はアラブの影響、北部のアップルパイのようなストゥルーデルはオーストリアの影響など、郷土菓子から歴史をお伺いすることもできます。他には、ティラミス、パンナコッタ、パネトーネなどが知られ、ジェラート(アイスクリーム)も変わらぬ人気があります。

◉参考文献  成美堂出版「一番優しいイタリア料理」

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◉参考文献  成美堂出版「一番優しいイタリア料理」

 

 

🍅イタリア料理のA to Z①

YOU TUBE

aglio アーリオ

ニンニクの事。イタリア料理の代表的な調味料ですが、生ではあまり使わないしニンニクなしの料理が多い。使う場合、金けを嫌うのでなるべく包丁は使わない。まず包丁の背や瓶の底などで軽く押しつぶす。この方が皮も簡単にむけるし、繊維が潰れて香りが出やすい。この形で使うこともあるし、みじん切りにする場合はつぶしてから切る。
ちなみに、当店ではパスタなどに使う場合、ニンニクが苦手なお客様が取り出しやすいようにつぶしたかけらのまま入れている。そしてオリーヴ油と温める場合必ず火にかける前の冷たい鍋に油とニンニクを入れ、弱火にかける。ゆっくりと火を入れ、焦がさないように温めきつね色になるまで火を通す。これで油へニンニクの香りが移り上等のニンニク油が出来上がる。

acqua アックア

水の事。お店では調理用の水道水はろ過器を使っている。水は無味無臭、素材の邪魔をしないなかなか使えるやつで、ソースが煮詰まる、リゾットが煮詰まるなど様々な場面で使える。場面や用途にもよるが、ブイヨンや酒を加えた方が美味しくなるように思えるが、実際はくどくなるだけの場合もある。水分が蒸発するわけだから水で良い。ということもある。

acciuga  アッチューガ

アンチョビの事。日本の家庭で味噌や醤油を常備しているのと同じように、アンチョビはイタリアの家庭の大切な調味料。古代ローマ時代に誕生したと言う。片口イワシの頭と内臓取り、たっぷりの粗塩につけておくと、やがて自然発酵し、特有の風味が生まれる。この風味と塩味を生かして使う。ピザのトッピングやサラダに入れたりパスタにもよく遣うし、ペースト状にしてソースにもする。塩気が強いので料理にいれる時は塩の量はその分控える。イタリアの市場へ行くと、粗塩につけたまま売っているものを見かける。日本で出回っているアンチョビは塩を落とし、オイル漬けにし瓶や缶入りで市販されている。またペースト状もある。イタリアでも最近はオイル漬けやペーストを使うことが多い。

agnello アニェッロ

子羊。子羊の肉はとても好まれており、さまざまに調理されます。冬から春がおいしいと言われ、復活祭には「子羊のロースト」が定番のご馳走です。ローマでは、生後3週間から4週間のまだ草を食べていないミルクだけで育った子羊を「アバッキオ」と呼んで珍重しますが、これはローマ時代からのことです。特にローストは柔らかく、クセがなく、最高にぜいたくな味です。

aperitivo アペリティーボ

食前酒、アペリティフのこと。イタリアで食前酒と言えばチンザノやカンパリ、シェリーなどが一般的ですが、最近はスプマンテ(発泡性のワイン)なども人気。さらにはスプマンテを桃の果汁で割った「ベッリーニ」とか、ぶどうジュースで割った「ティッツィアーノ」などの軽いカクテルもよく飲まれます。女性向けには「プンテメス」や「アペロール」などの薬草系のリキュールをガス入りのミネラルウォーターで割ったりオンザロックにしたものも人気です。もっとも食前酒は無理に注文する必要はありません。要するに、食欲増進と喉の渇きを潤すためのいっぱいなのだから、食事に頼んだワインを飲んでもオーケー。お腹が減っていたり、アルコールに弱いのなら、いきなり食事に入ってもオーケー。とは言えイタリアのディナータイムは遅い。夕暮れ、どこか気の利いた店で待ち合わせ、食前酒を軽くやって、食事に繰り出すのも悪くはありません。夏場、夕日が沈むのは9時過ぎ。それからでもイタリアでの夕食は決して遅くはありません。

all’amatriciana アマトリチャーナ風

 パスタソースの1つ。ローマから150キロメートルほど離れた地にアマトリーチェと言う街がある。標高1000メートル冬は雪に埋まる。この街で、ある冬、雪のために外出できなかった街の司祭が、台所にあったありあわせの豚のほほ肉の塩漬けや赤唐辛子、トマトで即席に作ったのが始まりだと言われています。アマトリーチェは古来から豚の産地でありました。今ではローマ名物の1つとなっていますが、仕上げにペコリーノチーズを振って食べる、滋養たっぷりのパスタです。

al dente アルデンテ

 パスタの茹で加減を示す言葉で、歯ごたえを残してゆでること。そのコツを紹介します。
 まずたっぷりとお湯を用意します。使用はお湯の量の2%から3%。お吸い物よりやや薄めと言う感じです。この仕様でパスタにコスト下味をつけます。お汁たっぷりで食べるそば家ラーメンと違って、パスタはソースを絡めて食べるので、下味がきちんとついていないと、ソースにどんなに私を聞かせても、どこか間の抜けた味になってしまいます。
 パスタを入れます。全体がお湯につかるようにばらしたら、あまりかき混ぜないことが大切です。パスタの表面は、ソースが絡みやすいように、わざとざらざらにしてあります。かき混ぜすぎると、このざらざらがなくなってしまいます。 
 そして茹で加減。袋にゆで時間が書いてあると思いますが、それよりも少し前に噛んで、確かめる。余熱を考えると、好みのアルデンテよりもやや固めが良いでしょう。
 基本的には、縫い針程度の針が残っている茹で加減を言いますが、実はイタリアでアルデンテにこだわるようになったのは戦後のことです。一部のスノッブ連中の間で流行り、広く定着するようになったと言われています。

【スパゲティーをアルデンテに茹でるコツ】

①鍋はできるだけ深いものを用意します。塩の量はお湯の2%から3%ほど。塩は、できれば粗塩を使いたいです。
②スパゲティーがくっつかないよう、鍋の縁に沿って放射状に入れます。
③パスタが一旦沈んだあたりで2回から3回、かき混ぜます。火加減は、ポコポコと表面が沸く程度。吹き零れる程の強火はよくありません。
④アルデンテになる以前にスパゲティーをすくってみます。まだ心がかなり固いために救ってもフォークから逃げてしまい、掬いいづらいです。
⑤アルデンテに茹で上がったスパゲッティーは、フォークですくうと、麺が寄り添うような形ですくえます。茹で上がったら、試しに噛んでみます。中央に縫い針ほどの芯が残っている状態が望ましいです。ソースは、この時点で熱々にしておくことが大切ですがらパスタとあえたら炒めない。火の上で炒めているように見えるけれど、あれは冷めないようにあえているだけです。炒めると、パスタの表面に油膜を作ってしまい、せっかくの味が台無しになってしまいます。

参考文献 講談社 「ラ ベットラ」落合務のイタリア料理事典
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🇮🇹イタリア料理について①

イタリア料理は1皿の料理の裏に歴史や風土、そして人間の生活が隠されていて、それを発見する喜びが尽きない料理です。例えば肉料理の付け合わせの定番じゃがいものロースト。肉を焼けばおいしい肉汁が天板に残ります。この時肉と一緒にじゃがいもを焼けばじゃがいもは肉汁をたっぷり吸って美味しくなり、料理のボリュームも増します。その昔肉は贅沢品だったので少量でも満足感が得られるようにじゃがいもが添えられるのが定番になったのでしょう。まさにお腹を空かせた子供たちを抱えたマンマの知恵です。今では日本でもパスタを毎週食べると言う人は少なくなく、西洋料理の中で唯一家庭料理にまで入り込んでいるのがイタリア料理と言っても過言ではありません。なぜこのようにイタリア料理が日本に受け入れられたのでしょうか。その答えは簡単です私たちがイタリア料理と呼ぶものは日常料理つまり本音の料理だからです。経済的で無駄をしない。そしておいしい。そこには日本で再び見直されている「もったいない」の精神がしっかりと生き残っています。

イタリアは古代ローマ時代ルネッサンスと西洋文化圏を二度も制覇した国。もちろん豪華な貴族のヴィッラで楽しむリストランテ料理の世界も健在です。食べると言う事は命をつなぐための作業ですが、料理はその上に生まれた人間ならではの文化です。その素晴らしさを感じている毎日がとてもありがたいと思っています。イタリアの偉大な文化に本当に心から感謝しています。

郷土色が濃くバラエティー豊かな料理

「イタリア料理とはなんですか」とイタリア人に聞くと多分こんな答えが返ってくるはずです。「イタリア料理は存在しないのです。あるのはトスカーナ料理、シチリア料理など各地方料理で、イタリア料理とはそれを総称しただけです。」イタリア料理の担い手はマンマ達。マンマの料理ではお金をかけて遠くの食材を取り寄せるなどと言う事はしません。つまり使うのは家の周りにあるもの、もしくは豆や乾物など保存の利くものとなります。山に住む人は山の食材を使って料理を作り、海に住む人は海の食材を使っています。したがってイタリア料理を知るためにはまず地形があり、そこからとれる食材があり、それを使った料理が生まれ、これが郷土料理となることを知っておく必要があります。イタリアは山岳部、湖水地方、丘陸地帯、平野部、海岸線、島部と多彩な地形で、北部と南部では全く気候が異なります。「地形+食材=料理」と言う方程式に当てはめてみれば同じような料理だけが生まれるはずがありません。また歴史的にイタリア国家が築かれるまでは各地の都市国家が形成されていて独自の文化や生活習慣があったことや、外国からの侵略者がもたらした文化も忘れるわけにはいきません。このような要因からイタリア料理を1つにまとめることのできない郷土料理の集合体となっていたのです。

偉大なるマンマの愛情あふれる家庭料理

郷土料理とは本質的にママの作った家庭料理がベースになっていると言って良いでしょう。それぞれの土地でそれぞれの家庭で代々引き継がれてきた料理は地方を代表した料理として発展していったのです。複雑な味のソースを使うのでもなく、盛り付けに特別凝るわけでもなく、食材そのものを生かして手早くできる料理が多いのも実質本位の家庭料理の特徴でもあります。例えばトマトとニンニクとオリーブオイルがあればそれぞれの家庭で天下一品の「スパゲティ アル ポモドーロ」を作ることができるのです。

料理を手作りすることが当然だと思われているイタリアでは、マンマはたっぷり愛情をかけて料理を作ります。ママの料理は家族の健康を考えて新鮮な野菜や食材を使い美味しく食べられるように料理法に工夫を凝らし、しかも経済的にも無理のない料理ばかりです。地味で素朴で気取りのない、しかし、本当においしいマンマの味が、イタリア料理を身近で魅力的なものにしているのです。

参考文献 成美堂出版 長本和子監修 「いちばん優しいイタリア料理」

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