🇮🇹イタリア料理の常識非常識①


食事のマナーと食習慣

リゾットはフォークで食べるもの

ピラフやカレーライスなど、平皿に盛られたご飯ものはスプーンですくって食べるのが当たり前の日本人。イタリアに行ってリゾットを注文したのに、フォークしか用意されないのを見て、パスタの注文と間違えられたのかな?と思った人もいるかもしれません。米粒をフォークで食べたら、隙間からボットボット落ちて食べにくい、と最初は思います。しかし、食べてみればそんな心配はどこへやら。フォークで10分、用をなすことに気がつきます。本物のリゾットはピラフなどよりずっと粘り気があり、米粒同士がくっついているからフォークの溝からすり抜けることがありません。帰ってスプーンのようなカーブがない分、掬いやすいからです。手首のスナップを聞かせなくても、すっと差し込むだけで米粒はたっぷりなるので、最後の1粒まで簡単に食べられるんですね。最初にフォークでリゾットを平たく広げ、すくいあげる。これが、より食べやすくするためのコツです。もし、フォークから米粒が抜け落ちるようなら、それはリゾットとは言えない代物です。

パスタをズルズルするべからず

日本のおそばは、勢いよくズズーっと豪快な音を立ててすすります。それが粋で、もそもそ食べていたら気色悪いと日本人は思うでしょう。そのように育ったから、同じ長い麺のラーメンも、スパゲティーも、ズズーっとすすってしまう。でも、イタリアでこれをやったら大変。レストランだったら、周りのイタリア人は露骨に反応します。苦々しい顔、あきれ顔、嘆きの顔でこちらに振り向くこと必至です。日本人にとっては、そこまで嫌うかと感心するほどに、現代のイタリア人にはこの音がたまらなくおぞましいのです。スープも同じく、吸い込む時にずっと音を立てるのはダメ。日本の蕎麦屋に入ったイタリア人が、ズズーっの大合唱にいたたまれなくなって、食べる前に店を飛び出したと言う話があるそうです。日本人にとっては笑い話ですが、イタリア人には神経がおかしくなるほどの切実な状況だったんでしょう。日本でも、くちゃくちゃ音を立てて噛んだり、食べながら大口を開けて話したりするのははしたないと言うマナーはしつけられていますから、共通認識はあるはずなんです。でも、蕎麦の習慣がついスパゲッティーに出てしまう人が多いんですね。郷に入れば郷に従え。ここは無音でスパゲッティーを食べるように心しておきたいものです。実は、蕎麦も、江戸時代には音を立てて食べるのが、はしたないとされていたそうです。唯一の例外は新蕎麦で、香りを楽しむために多少の音は許されたとか。それが年中のこととなったのは明治に入ってから。寄席で噺家が擬音でそばを食べる場面を演じたことで一般にも広まったと言う説があるそうです。

スパゲッティーはスプーンを添えて食べるのが上品?

最近はレストランで見かけることが少なくなってきましたが、一時期スパゲッティーを食べるのにスプーンを添えるのが流行りました。1990年代頃だったでしょうか。スプーンのくぼみにスパゲティーをのせてフォークでくるくると巻く。そのまま口に運べば、適量のスパゲティがうまい具合にフォークに巻きつくし、ソースがはねずに食べやすいものです。流行った当時は、これが本格的なイタリアのスタイル、といった風潮があって、上流階級のお上品な食べ方だと思った方も多かったようです。映画でも、スプーンを使っているシーンが確かにありますもんね。でも、これはイタリアでは一般的ではありません。シチリアの一部で定着しているだけで、おそらくアメリカに渡ったシチリア移民を通じて広がり、それが日本に輸入されたんだと思います。でも、北イタリアの人間からすると、大人がスプーンを使っていてパスタを食べるのは良いイメージがなく、田舎臭い、といいます。そして、巻くのが下手だからスプーンなんぞを使うんだと。日本人の思い描いていた上品な世界とは、まるで捉え方が違うのです。
スパゲッティーにスプーンを使う習慣が一部で生まれたのは、昔トラットリアではフォークなどと一緒にスープ用のスプーンもテーブルにセットしていたことが背景にあります。そして、スパゲッティー料理といえば、麺の上にソースをのせて出していたため、お客自ら粉チーズをかけ、フォークとスプーンで混ぜることが多かったのです。フォークだけより、断然混ぜやすいですからね。そのまま食べる段階になってもそのままスプーンを使ったわけですね。
スプーンを使えばソースが跳ねにくいのは事実ですから、家で食べる時は自由に使って良いと思います。実際、日本のある調査では、たまに使う店を含めて、使う派がわずかに上回っていたようです。でもレストランで用意されていないからといって、サービス不備だとは思わないようにしましょう

◉参考文献 柴田書店 エル カンピドイオ 吉川敏明著

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トラットリア バール ジョルノ【イタリア食堂 ジョルノ~Trattoria Bar Giorno~Dal 2010.】
◉北堀江1丁目/四ツ橋駅徒歩5分/2010年開店
TEL 06-6532-1117
住  所:〒550-0014 大阪府大阪市西区北堀江1-16-17 アメニティ北堀江1F

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