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🍗お肉について①

 歴史 概要

 

明治時代以降わが国は食肉利用に関しては先進国とも言える欧米に追いつくことを目標に、食肉の利用について色々と努力してきた。幕末から明治時代にかけては牛肉を食べることが文明文化人としての1種のステータスでもあったようだし、牛鍋を食べながら日本の将来について語ることが当時の進歩的人間のスタイルでもあった。

第二次世界大戦後に日本の社会に入り込んだ欧米の各種の文化文明は日本の文明文化の面ばかりでなく、経済面における急速な発展に貢献した。「主食は米、主菜は魚、あるいは一汁一菜」と言う長い伝統のある日本型食生活の中に、第二次世界大戦後は食肉料理を含む欧米の多種多様な食文化が導入されるようになった。

第二次世界大戦の前の好況期における年間の食肉消費は合計で約190,000トンであった(1937年の統計による)。戦後10年余りの1957年の食肉消費量は320,000トンでわずかな増加が見られた。その後1990年までには食肉消費量が年々急激に増大している。昭和10年代までの食肉消費の傾向は鶏肉が多かったが1970年以降の食肉消費の傾向は豚肉や鶏肉ひつじ肉の消費が多かった。牛肉の消費量が著しく多くなったのは1990年以降である。食肉の消費の総量が著しく増大したのは東京オリンピックが契機となっていたのだ。

日本国内の食肉の消費量の増大は日本国内の家畜の生産者が増えたためではなく、畜産関係者が家畜の改良や生産性の向上に向けて努力した結果、大量の肉類が供給できるようになったからだ。大量の飼料と肉類を外国から輸入し、日本人の食生活に関与していたのである。

肉類の輸入は第二次世界大戦後まもなく始まり、様々な要因が重なって農作物と同じように自給率が低下した。1962年にはひつじ肉と鶏肉の貿易自由化が始まり、1971年には豚肉の貿易自由化、1991年には牛肉の貿易自由化が始まった。そして新鮮な卵と牛乳を除く畜肉食品の大部分は諸外国から輸入すれば良いと言う政治的政策も関与したために、肉類の自給率は1991年には67%であったのが1997年には56%にまで落ちてしまった。

その後鳥インフルエンザや牛のBSEが世界的な問題となり、日本も外国からの食肉の輸入を制限したり、禁止したりした。日本国内では食の安全安心が重要視されるようになり国内産の食肉が注目されるようになった。「安心安全」に加えておいしさを求める傾向になったため、畜産関係者は日本人が好むおいしい肉の生産について飼料や品種、環境、飼育の方法などに工夫するようになり、日本の食肉は品質いやおいしさの面でも世界的に高く評価されるに至っている。

近年の一人当たりの食肉摂取量の増加は畜肉脂肪の増加を伴い、血液を含む人間の体内の中性脂肪の増加やコレステロールの増加と関連し、結果的には心臓疾患を発症する原因であると言われている。そのために食肉摂取を少なめにする人もいる。しかし食肉摂取と人間の健康に関連に関する数多くの食肉摂取の有用性も明らかにされてきた。特に食肉の生理活性物質の中でも学習効果や脳神経の活性成分について明らかになっている。
機器分析の発達により熟成や貯蔵調理におけるおいしさのメカニズムも明らかになってきている。

日本における食肉の歴史

日本における肉のルーツを探っておく。日本列島に人類が登場した旧石器時代、人々の食生活は採集や狩猟、漁労といった生産活動により支えられていた。いつごろから畜産が始まったのかは定かではないが、最近の考古学的研究によれば、すでに縄文時代には食用として猪が飼育されていた可能性があると言う。また、弥生時代の遺跡からは飼育の痕跡を残すイノシシの歯や骨が多数出土しており、この時代に広い意味で豚の飼育が始まっていたことは間違いなさそうである。さらに時代が進んで、鳥が家禽となったのは5〜6世紀ごろで、奈良時代にはキジや鴨、うずらも飼育するようになっていた。7世紀の大化の改新後、仏教伝来により肉食が禁じられた事は日本の食文化に大きな影響与えた。天武天皇が布告したら最初の肉食禁止令は1年のうち4月から9月まで牛、馬、猿、犬、鶏の5種類の肉食を禁ずると言う限定的なものだった。

禁止令に含まれない動物や鳥類は相変わらず食用とされ、特に鹿肉や猪肉は古代から中世の京都で大いに食されたようである。しかしこの禁止令が、殺生を嫌う仏教思想と結びつき肉食への嫌悪感を日本人に生じさせたことも事実である。この種の公権力による肉食の制限は形を変えながら明治に至るまで続いた。だがそのような時代にあっても狩猟したり家畜や家禽の飼育をしていた人々はいた。
また、様々な理由をつけて人々は肉を食べていた。禁じられると食べたくなるのも人間の性である。そこから郷土料理が生まれ、地方の特産品になっている例も少なくない。
明治維新になり、これを契機に急速な近代化を目指した日本は瞬く間に西洋文化の洗礼を受けた。食生活や料理にも近代化の波が押し寄せ、次に明治5年明治天皇が肉食の解禁を宣言する。日本人はこの日から後ろめたさを感じることもなく堂々と牛肉や豚肉を食べるようになったのである。

上記のように日本人と肉との本格的な付き合いは海外に比べれば始まったばかりだ。そんな中において庶民の間で連綿と続いてきた未来との付き合いがある地方ごとにこの辺の状況をひもといておこう。

山間部と猪肉

明治時代に肉食が解禁されるまでは、一部では猪肉を「薬食い」として珍重していた。「薬食い」は食べると体が温まることからそう言われる。猪肉を出す獣肉店は、「ももんじ屋」または「けだもの店(だな)」と言われていた。獣肉禁止の時代、猪肉は「山鯨(やまくじら)」や「牡丹(ぼたん)」の隠語で呼ばれていた。

こうした店は、店先に「山くじら」の看板を掲げていたとされる。現在も両国に「ももんじゃ」という店舗が残っている。兵庫県の丹波地方と神奈川県の丹沢地方は、郷土料理として野生のイノシシ鍋(ぼたん鍋)が食べられることで有名である。

北海道と羊肉🐏羊は日本でもっぱら羊毛の生産家畜としての歴史が長く、食用として利用されるようになったのは近年である。ひつじ肉には特有の臭みがあるため、食糧事情の悪い時代には醤油ベースのタレにつけ込むなどして、焼肉として利用していた。その時に食されたのはオーストラリア産の輸入ひつじ肉が主であった。

羊肉料理は特に北海道出身者や、過去に北海道で生活した経験のある人に好まれる。北海道では羊の飼育も盛んであり、全国の飼育頭数の約半数が飼育されている。最初は羊毛生産のためであったものが、マトンを食材としたジンギスカン鍋が人気となり、肉が食べられるようになった。相乗的に肉用羊の飼育も行われるようになったと考えられる。ひつじ肉はマトン(成羊肉)よりラム(子羊肉)の方が臭みもなく柔らかいので西洋料理の材料として多く利用されている。脂肪分が少なくヘルシーである。またタンパク質が多いので健康食材として今後も需要が高まるものと考えられる。

東北、関東の豚肉

昔は関東や東北地方の肉料理では豚肉を使うことが多かった

例えばすき焼きでもあえて断らなければ豚肉が使われた。やがて、文明開花とともにすき焼きの元祖とも言われる牛肉料理「牛鍋」が登場し、瞬く間に牛肉が普及することとなった。ちなみに、関東や東北地方で豚肉を用いることが多かったのは、豚は小規模飼育が容易であり牛よりもはるかに手に入りやすかったためと考えられる。

鹿児島の豚肉 

鹿児島で飼育されている豚と言えば黒豚である。中国から琉球を経て薩摩に伝えられた。特に九州の武士や蘭学者、蘭医が豚汁を好み薩摩汁の名で、江戸にも広められている。また長崎で学んだ司馬江漢は夜食として食べた煮豚のおいしさに驚いたとの記録がある。それから、15代将軍徳川慶喜は豚肉が大好きで、「豚一様」豚凹男などと呼ばれていたと言う逸話が残っている。

関西と牛肉   

食肉用和牛の飼育が本格化したのは1867年に神戸港が開校し外国人居留地での牛肉需要が高まった明治時代以降である。中でも但馬牛は遺伝的に脂肪交雑(霜降り)が豊かであったため、兵庫県ほか、三重県、滋賀県などでも基牛として用いられ、「神戸ビーフ」「松阪牛」「近江牛」などの高級銘柄を育んだ。但馬牛の優れた資質は、全国の銘柄牛の多くにも継承されている。

名古屋 宮崎と鶏    

日本に鶏が導入された時代は定かではないが、平安時代から江戸時代初期にかけて、中国大陸や東南アジアから、食用や戦闘用(軍鶏)、愛玩用(尾長鶏)の新種が入ってきたとされる。現在の鶏肉のほとんどはブロイラー(食肉用の雑集鶏)である。
 鶏の中でも「ナゴヤコーチン」として知られる銘柄は有名である。明治初期に名古屋地方の在来種と、中国のバフコーチン種を交雑した鶏が原種となっている。その後、褐色レグホーン種や、ロードアイランドレッド種を交配し、卵もよく産むように改良された。
 宮崎県は畜産間として有名であるが、牛や豚と並んで鶏にも地域活性化のために力を入れ、「宮崎じとっこ」で全国的にには鶏肉の生産地としての地位を確立している。

肉の状態の変化と熟成

市販されている生肉は利用しやすく処理された食材となっているが、その前は生きていた動物である。悪を極めるならば、生前にも興味を持つべきだが、ここでは、屠畜後の肉について説明しておく。
 屠畜されて間もない動物の筋肉は、生きている時と同様に柔らかい。しかし、1〜2時間も経過すると次第に伸縮性のない硬い筋肉へと変化していく。この状態が死後硬直である。死後硬直が始まるまでの時間は、状態によって変化するが、牛肉は1日程度、豚肉は半日程度、鶏肉は1〜2時間程度である。また、外気温が低いほど遅くなったりもする。
 さらに時間が経過すると、半日から数日かけてゆっくりと硬直が解けていく。これを解硬と言う。解硬し、軟化すると、筋肉の中にあるATPからうまみ成分として知られるイノシン酸が生成される。ATPとは、動物にとってのエネルギー源で、ATPが無機リン酸とADPに分解される生際に生じるエネルギーである。我々も動物も、このATPの力で筋肉を動かしたり、新陳代謝を行っている。こうした成分が、徐々にうまみえと変化していくのである。

熟成による旨味の生成   

 死後硬直が解けた肉を貯蔵しておくと、今度は熟成の過程に入る。熟成とは、自然に筋肉組織が崩壊し、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の力によって、筋肉のタンパク質からうまみ成分(ペプチド、アミノ酸)が生成されることを言う。熟成された肉はフレーバー(風味)が向上し、うまみが増す。一概には言えないが、熟成には概ね、牛肉は1週間から2週間、豚肉は1週間前後、鶏肉は半日から1日間程度を要する。

🍖「肉は腐る寸前がうまい」は本当か?

 熟成が進みすぎるとイノシン酸が分解されて減少する。今度は腐敗菌が増加し、するとアミノ酸類が腐敗臭のあるトリメチルアミンに変わり、腐敗菌も増加する。「肉が腐る寸前がうまい」と言う文言があるが、これは、腐敗前の熟成された時点を意味している。本当に腐敗した肉は食べられない。
 なお、精肉店では通常、熟成された食べごろの生肉が陳列されている。したがって、購入後は新鮮なうちに食べることが望ましい。特に鶏肉は足が速い(腐りやすい)ので、鮮度が高いうちに調理すべきである。

肉のうまさの決め手は、見た目と食感、味、香り

 肉は非常に食欲がそそられる食材である。それは、見た目、食感、味、香りといった要素がもたらすものであり、これらのハーモニーによって美味であるかが評価される。それぞれの項目について見ていきましょう。

🍖肉の赤みはミオグロビンが影響する 

 肉の色は単に食欲をそそるだけでなく、種類を見分けることや、鮮度を知る上で大切な情報である。その肉の色だが、鶏肉はピンク、豚肉や牛肉は鮮やかな赤、さらに馬肉や猪肉は濃い赤といろいろである。濃淡の違いは次に起因する。
 動物の肉は、生前、血液中のヘモグロビンによって色が決定する。しかし、死後ヘモグロビンが失われていくと、別の色素の影響が大きくなる。それがミオグロビンと言う色素タンパク質である。ミオグロビンはヘモグロビン同様に鉄を持ち、酸素を蓄える役割がある。ミオグロビンの含有量は、動物種、年齢、部位によって異なるが、基本的には量が多いほど赤くなる。また、ミオグロビンは運動量が多いほど含有量が多いので、活発に動かす部位ほど色味は濃くなる。
 ミオグロビンの鉄は酸素に触れることで酸化による退色が起こり、さらに進むと褐色になる。豚肉などに比べて、特に牛肉はこの傾向が強い。酸化は、高い温度や日光、食塩などの調味料によっても促進する。肉の退色を防ぎたければ、酸素との接触が少なくなるよう対応する。簡単なのは、ラップや晒しで包む、といった方法である。薄い高級牛肉が1枚ずつパックされているのも、酸化を防ぐためである。逆に、真空パックされた冷凍牛肉を解凍すると、退色状態から鮮やかな赤色へと変化する。これは外気に触れて酸素が供給されたためである。もちろん、退色しているだけならば品質には問題ない。

🍖肉の味と食感を決定する要因   

 肉の旨味はペプチド、アミノ酸、イノシン酸によってもたらされる。他にも乳酸や無機塩類、還元糖、などが関係する。ただし、見た目や食感を除いた肉本来の味で言うと、違いはさほどない(我々が肉の味と言う場合、多くは調味料の味である)。実は、肉の味を強く引き立たせるのは脂肪である。脂肪と言うと太るイメージがあるが、あまり少ないとお肉のおいしさも損われる。
 脂肪には、厚い塊となった皮下脂肪と、筋肉組織に入り込んだ脂肪交雑がある。後者が霜降肉であり、白い脂肪が均一に混じっているものほどグレードが高い。日本では、特にこの霜降肉が珍重される事は言うまでもない。
 脂肪は食感にも関与する。例えば、脂肪は動物によって構成脂肪酸(脂肪を構成する有機酸。パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸など)の含有量が異なる。これが脂肪の融点の違いとなり、舌触りなどに影響する。部位によってばらつきはあるが、概ね牛肉の脂肪の融点は40度から50度高く、豚肉は35度から45度で、鶏肉は最も低く30度から35度。鶏肉の脂肪は下の温度で溶けるため、牛肉や豚肉に比べて冷めても食べやすい。

🍖肉の香りは赤身と脂肪が影響する

 肉にとって、味同様に重要なのが香りである。コクのある香りは肉の旨味を大いに引き立てる。逆に香りの少ない肉は食欲がそそられない。輸入牛よりも和牛が好まれるのは、香りの強さの違いだと言う指摘もある。鮮度の落ちた肉は香りが低い。
 肉を加熱すると香りが発生するメカニズムは「アミノカルボニル反応」と言う変化が起きるためである。ここで、アミノ酸やペプチド、糖分などの成分が、ローストの香りや肉のスープの香りを発生させる。肉の香りの本は芝生の中にも存在する。主な成分としては、中性脂肪やリン脂質がある。その他、タンパク質、アミノ酸、糖などにも含まれる。
 加熱後の肉の香りからは、こうした成分が1000種以上も検出される。それぞれの肉の香りを言葉で表現しづらいのは、こうした複雑さや奥深さによるものである。

肉の購入と保存方法

🍖肉を購入するときの注意  

 肉は、価格が安いとついつい大量買いしてしまいがちだが、生鮮食品であるためできるだけ必要な分だけ購入し、早めに使い切ってしまうのが基本である。また空気に触れる面が多いほど、鮮度は急激に落ちる。したがって、薄切り肉よりもブロック肉の方が長期保存が可能である。なお、ひき肉は保存に向かないので早めに使い切ること。

🍖肉を冷蔵庫で保存するときの注意    

 肉を使いきることができず、やむなく冷蔵庫で保存するときには、できるだけ空気に触れないように密封する。ラップフィルム、保存用パック、アルミホイール等を利用するのが良い。また、冷蔵庫の中でも温度が低い場所に保管する。いずれにしても鮮度が保てるのは牛肉で5日から6日、豚肉で3日から4日、鶏肉で1日から2日程度と考えておきたい。

🍖チルドルームのある冷蔵庫  

 近頃は、シールドルームが備わっている家庭用冷蔵庫も多数ある。チルドルームとは、鮮度を保つのに最も適した、凍る寸前の温度(0度からマイナス1度)を維持しているスペースである。さらに、製品によっては「真空チルドルーム」が備わっており、参加するのも防いでくれる。

🍖肉を冷凍で保存するときの注意  

  肉の冷凍保存で大敵なのは水分の蒸発である。これを防ぐためには、やはり肉に対してラップをしたり、保存用バックに入れる。また、素早く凍らせるためや利用しやすくするために小分けにする。この時折れている肉はまっすぐにしておこう。なお、冷凍保存可能な期間は1ヵ月程度である。
 冷凍した肉を使用する際は、時間をかけて回答する。急ぐと細胞が破壊されドリップが出やすくなる。急ぎの時は電子レンジの回答機能を利用するのが良い。

🍖痛みが進んでしまった肉について    

 鮮度が落ちて痛みが進んだ肉は退色し、やがて腐敗臭を発生する。ここまで不具合が進んだ肉は当然ながら食べるべきではない。そうならないように、早めに利用するべきである。なお牛肉の場合には、空気にさらされている部分がすぐ退色するので、痛みが進んでいるものと勘違いしがちである。腐敗臭がしていなければ問題は無い。

参考文献  うまい肉の科学  著者 肉食研究会   監修 成瀬宇平

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トラットリア バール ジョルノ【イタリア食堂 ジョルノ~Trattoria Bar Giorno~Dal 2010.】
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参考文献  うまい肉の科学  著者 肉食研究会   監修 成瀬宇平

🇮🇹イタリア料理について② イタリア料理のコース構成

イタリア料理は一般的に第1番目の皿(プリモピアット)、第二番目の皿(セコンドピアット)、デザートの3点で構成され、このメニューの前に出される料理をアンティパスト(前菜)と呼んでいます。リストランテではその前にストゥッツィキーノと呼ばれる「お通し」のようなものが出ることもあります。

①アンティパスト(前菜) antipasti

「食事の準備ができるまでの間につまむもの」が本来の意味。その場の雰囲気を良くし、食欲を増進させるもので、後の料理に触らないような量です。冷製と温製があり、肉や魚、野菜を使ったものなど、種類は豊富。イタリアにはハムやソーセージなどの肉加工品も豊富なので、それを盛り合わせたものが出されることもよくあります。

②プリモピアット(第1番目の皿) primi piatti

プリモピアットには、スープ類、リゾット、パスタ料理などがあります。ソースで和えたパスタ、米を使った料理は何種類もあり、ボリュームもあります。他の国では添え物的なことが多いのですが、イタリア料理では独立した皿で、これがイタリア料理の特徴でもあり魅力になっています。

③セコンドピアット(第2番目の皿) secondi piatti

お肉、魚などの料理でメインディッシュに当たります。料理自体はシンプルなものが多く、地方によりいろいろな調理法があります。イタリア料理と言うと魚介と言うイメージがありますが、それはナポリなど海沿いの観光地の料理で、イタリア全土ではありません。海沿いでは魚料理、内陸では肉料理など、その土地でとれる食材を使った料理が発展しました。

④ドルチェ(デザート) dolci

イタリアのデザートは焼き菓子の様に日持ちするものがたくさんあります。豊富な果実や蜂蜜など上質な材料が手に入るので、素朴で慈しみ深い味わいが魅力です。南部の揚げ菓子はアラブの影響、北部のアップルパイのようなストゥルーデルはオーストリアの影響など、郷土菓子から歴史をお伺いすることもできます。他には、ティラミス、パンナコッタ、パネトーネなどが知られ、ジェラート(アイスクリーム)も変わらぬ人気があります。

◉参考文献  成美堂出版「一番優しいイタリア料理」

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◉参考文献  成美堂出版「一番優しいイタリア料理」

 

 

🌿調味料について② オリーブオイル

名称 オリーブオイル
原料 オリーブの実
主な脂肪酸 オレイン酸
保存方法 しっかり密閉し、冷暗所で保存する。10度以下になると、白濁凝固する。瓶は遮光性のあるものが良い。風味が落ちてきたら加熱調理するのがオススメ。

オリーブの果実の新鮮な香りが楽しめる

オリーブの果実を圧搾したオリーブオイルは、有史以前から中東を始め、エジプト、ギリシャなど主に地中海地方で生産され、現在でもパスタやマリネなどの地中海料理には欠かせません。オリーブオイルには国際基準があり風味や酸度でクラス分けされています。果実を低音圧搾しただけのジュースをバージンオイルと呼び、各種検査された最高ランクのものを、エキストラバージンオイルと呼びます。悪玉コレステロールを下げる、動脈硬化を予防するといった健康効果が注目されたこともあり、近年は日本でもすっかりおなじみです。和食との相性も抜群です。

オリーブの出身地を知る

オリーブオイルは土地に根ざした味になるとされる。作られたのが海沿いなら魚介類に、山間の土地のものなら肉に合わせてみましょう。

残ったお肉は変色防止

すぐに黒ずんでしまう生の牛肉等の表面にオリーブオイルを塗ると、油がコーティングされて変色防止に役立ちます。

ワインのように楽しみたいエキストラバージンオリーブオイル

エキストラバージンオリーブオイルはオリーブ果実の一番搾り。化学処理や熱処理もされていないので、果実の味がダイレクトに出ます。そのため産地の違い、生産年の違い、品種の違いによって香りも色も変化します。また、近年日本でも扱われるようになったノンフィルタータイプには、ワインのボジョレーヌーボーのように、収穫を祝い新物の味を楽しむノヴェッロと言うオリーブオイルもあります。
オリーブと言う果実をストレートに味わえるエキストラバージンオリーブオイル。手に入れたらまず、バゲットに塩とオイルだけをつけてシンプルに味わってみてはいかがでしょう。

オリーブオイルは濃さと香りで選んでも

オリーブオイルは地方毎、生産者ごと、収穫時期や品種のブレンドごとに、風味は千差万別です。辛口のさっぱりしたものから、コクがあるまろやかなタイプまで。香りも、フルーティーなものから草のようなものまであります。お気に入りを見つけてみましょう。

エキストラバージン

バージンオイルのうち最もハイクラスのオイル。酸度が低く、フレッシュな香りが特徴。仕上げに、揚げ油にと幅広く使え、豊かな風味を与える。

ピュア

精製オリーブオイルにバージンオリーブオイルを配合したもの。香りがマイルドなので素材の風味を活かしたいときに。

ノンフィルター

日本では珍しいろ過されていないエキストラバージンオリーブオイル。香りが非常に強く、苦味や辛味がある。澱が多いので、早めに使い切りたい。

◎参考文献 高橋書店 「素材喜ぶ 調味料の便利帳」

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◎参考文献 高橋書店 「素材喜ぶ 調味料の便利帳」

 

 

 

チーズについて①

Ricotta Fresca(リコッタフレスカ)

タイプ フレッシュ  
乳種 牛  
熟成無し 
リコッタとはイタリア語で「再び煮る」という意味。その言葉通りチーズを作る際にミルクを加熱しそこでホエーを再び加熱して作ることからリコッタと言う名前が生まれました。伝統的製法ではリコッタが自然のままの状態で凝固するのを待ちますが、今日では海塩とクエン酸を使って凝固させる方法が一般的です。また、多くのリコッタはボリュームを出すために人工的に空気を入れています。色は真っ白、しなやかで柔らかい質感。フレッシュでミルクの優しい甘さが感じられる味わいです。プロテインが豊富でコレステロールが低い食品なので。脂肪を抑えた食事のオススメのチーズです。 

オススメ料理
●パスタアッラノルマ
●カンネッローニ
●カンノーリ

おすすめワイン
●ヴェルディッキオデルカステッリディジェージ
●トレビアーノダブルッツォ

Mascarpone Fresco(マスカルポーネ フレスコ )

タイプ フレッシュ
乳種 牛
産地 ヴェネト
熟成無し
マスカルポーネはティラミスの材料で有名になったペースト状のチーズです。フレッシュチーズの1種でクリームを加熱し、酸を使って凝固させる製法は多くのフレッシュチーズと一緒です。
ただし、原材料は牛乳ではなく、乳脂肪分25%から30%のクリームで作ることが他の一般的なチーズとは異なります。ミルクのクリームと言う意味のマスケルパと言うロンバルディア州の1600年代の方言が、マスカルポーネと言う名前の由来と言われています。デリケートな甘みのあるマスカルポーネは、濃厚でリッチな風味から、お菓子やオーブン料理、そしてパスタなどに使ってもとても美味しく召し上がれます。ミルクの風味とクリーミーな食感、淡い黄色がかった白い色が特徴です。

オススメ料理
●リゾットに
●レアチーズケーキに
●そのままイチゴとバルサミコに添えて
●チョコラティーニの中身として

おすすめワイン
●ガヴィ
●ペコリーノ ダブルッツォ

Stracchino Fresco(ストラッキーノ フレスコ)

●搾りたての牛乳の甘さと柔らかな口どけを満喫できるチーズ。
●牛乳本来のおいしさをシンプルに楽しみたいときに最適。
●冷菜用のスプレッドでもおいしさを十分に堪能できます。

タイプ フレッシュ
乳種 牛
産地 ヴェネト
熟成 無し

搾りたてのミルクのような甘みを感じられる、新鮮な風味が食欲をそそるチーズです。低温殺菌した全乳を使用しているため、柔らかくトロリとした舌触りが特徴です。牛のレンネット(凝乳酵素)を用いて小さな形に入れて固め、ほんの数時間だけ熟成させます。真珠のように白く輝き柔らかい繊細な味わいと口どけの良さから、そのままパンやクラッカーなどに塗っても大変美味しくいただけます。かつては厳しい山間の放牧から戻ったばかりの疲弊した乳牛から搾り取った、わずかな牛乳を使ってこのチーズを作っていました。ロンバルディア州の方言である「ストラック(疲れた、の意味)」がチーズの名前の由来です。「柔らかさ、新鮮さ、甘味」、この3つが「ストラッスキーノフレスコ」の代名詞です。100グラム当たり268カロリーの高い栄養価にも注目です。

オススメ料理
・ピアディーナ
・サルシッチャのフォカッチャ
・フリッタータ

おすすめワイン
・フリーウラーノ
・アルバーナー
・サンジョベーゼ ロマーニャ

参考文献 亀屋食品株式会社 アルティグスト ドゥエ フォルマッジョ
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🍅イタリア料理のA to Z①

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aglio アーリオ

ニンニクの事。イタリア料理の代表的な調味料ですが、生ではあまり使わないしニンニクなしの料理が多い。使う場合、金けを嫌うのでなるべく包丁は使わない。まず包丁の背や瓶の底などで軽く押しつぶす。この方が皮も簡単にむけるし、繊維が潰れて香りが出やすい。この形で使うこともあるし、みじん切りにする場合はつぶしてから切る。
ちなみに、当店ではパスタなどに使う場合、ニンニクが苦手なお客様が取り出しやすいようにつぶしたかけらのまま入れている。そしてオリーヴ油と温める場合必ず火にかける前の冷たい鍋に油とニンニクを入れ、弱火にかける。ゆっくりと火を入れ、焦がさないように温めきつね色になるまで火を通す。これで油へニンニクの香りが移り上等のニンニク油が出来上がる。

acqua アックア

水の事。お店では調理用の水道水はろ過器を使っている。水は無味無臭、素材の邪魔をしないなかなか使えるやつで、ソースが煮詰まる、リゾットが煮詰まるなど様々な場面で使える。場面や用途にもよるが、ブイヨンや酒を加えた方が美味しくなるように思えるが、実際はくどくなるだけの場合もある。水分が蒸発するわけだから水で良い。ということもある。

acciuga  アッチューガ

アンチョビの事。日本の家庭で味噌や醤油を常備しているのと同じように、アンチョビはイタリアの家庭の大切な調味料。古代ローマ時代に誕生したと言う。片口イワシの頭と内臓取り、たっぷりの粗塩につけておくと、やがて自然発酵し、特有の風味が生まれる。この風味と塩味を生かして使う。ピザのトッピングやサラダに入れたりパスタにもよく遣うし、ペースト状にしてソースにもする。塩気が強いので料理にいれる時は塩の量はその分控える。イタリアの市場へ行くと、粗塩につけたまま売っているものを見かける。日本で出回っているアンチョビは塩を落とし、オイル漬けにし瓶や缶入りで市販されている。またペースト状もある。イタリアでも最近はオイル漬けやペーストを使うことが多い。

agnello アニェッロ

子羊。子羊の肉はとても好まれており、さまざまに調理されます。冬から春がおいしいと言われ、復活祭には「子羊のロースト」が定番のご馳走です。ローマでは、生後3週間から4週間のまだ草を食べていないミルクだけで育った子羊を「アバッキオ」と呼んで珍重しますが、これはローマ時代からのことです。特にローストは柔らかく、クセがなく、最高にぜいたくな味です。

aperitivo アペリティーボ

食前酒、アペリティフのこと。イタリアで食前酒と言えばチンザノやカンパリ、シェリーなどが一般的ですが、最近はスプマンテ(発泡性のワイン)なども人気。さらにはスプマンテを桃の果汁で割った「ベッリーニ」とか、ぶどうジュースで割った「ティッツィアーノ」などの軽いカクテルもよく飲まれます。女性向けには「プンテメス」や「アペロール」などの薬草系のリキュールをガス入りのミネラルウォーターで割ったりオンザロックにしたものも人気です。もっとも食前酒は無理に注文する必要はありません。要するに、食欲増進と喉の渇きを潤すためのいっぱいなのだから、食事に頼んだワインを飲んでもオーケー。お腹が減っていたり、アルコールに弱いのなら、いきなり食事に入ってもオーケー。とは言えイタリアのディナータイムは遅い。夕暮れ、どこか気の利いた店で待ち合わせ、食前酒を軽くやって、食事に繰り出すのも悪くはありません。夏場、夕日が沈むのは9時過ぎ。それからでもイタリアでの夕食は決して遅くはありません。

all’amatriciana アマトリチャーナ風

 パスタソースの1つ。ローマから150キロメートルほど離れた地にアマトリーチェと言う街がある。標高1000メートル冬は雪に埋まる。この街で、ある冬、雪のために外出できなかった街の司祭が、台所にあったありあわせの豚のほほ肉の塩漬けや赤唐辛子、トマトで即席に作ったのが始まりだと言われています。アマトリーチェは古来から豚の産地でありました。今ではローマ名物の1つとなっていますが、仕上げにペコリーノチーズを振って食べる、滋養たっぷりのパスタです。

al dente アルデンテ

 パスタの茹で加減を示す言葉で、歯ごたえを残してゆでること。そのコツを紹介します。
 まずたっぷりとお湯を用意します。使用はお湯の量の2%から3%。お吸い物よりやや薄めと言う感じです。この仕様でパスタにコスト下味をつけます。お汁たっぷりで食べるそば家ラーメンと違って、パスタはソースを絡めて食べるので、下味がきちんとついていないと、ソースにどんなに私を聞かせても、どこか間の抜けた味になってしまいます。
 パスタを入れます。全体がお湯につかるようにばらしたら、あまりかき混ぜないことが大切です。パスタの表面は、ソースが絡みやすいように、わざとざらざらにしてあります。かき混ぜすぎると、このざらざらがなくなってしまいます。 
 そして茹で加減。袋にゆで時間が書いてあると思いますが、それよりも少し前に噛んで、確かめる。余熱を考えると、好みのアルデンテよりもやや固めが良いでしょう。
 基本的には、縫い針程度の針が残っている茹で加減を言いますが、実はイタリアでアルデンテにこだわるようになったのは戦後のことです。一部のスノッブ連中の間で流行り、広く定着するようになったと言われています。

【スパゲティーをアルデンテに茹でるコツ】

①鍋はできるだけ深いものを用意します。塩の量はお湯の2%から3%ほど。塩は、できれば粗塩を使いたいです。
②スパゲティーがくっつかないよう、鍋の縁に沿って放射状に入れます。
③パスタが一旦沈んだあたりで2回から3回、かき混ぜます。火加減は、ポコポコと表面が沸く程度。吹き零れる程の強火はよくありません。
④アルデンテになる以前にスパゲティーをすくってみます。まだ心がかなり固いために救ってもフォークから逃げてしまい、掬いいづらいです。
⑤アルデンテに茹で上がったスパゲッティーは、フォークですくうと、麺が寄り添うような形ですくえます。茹で上がったら、試しに噛んでみます。中央に縫い針ほどの芯が残っている状態が望ましいです。ソースは、この時点で熱々にしておくことが大切ですがらパスタとあえたら炒めない。火の上で炒めているように見えるけれど、あれは冷めないようにあえているだけです。炒めると、パスタの表面に油膜を作ってしまい、せっかくの味が台無しになってしまいます。

参考文献 講談社 「ラ ベットラ」落合務のイタリア料理事典
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調味料について① 概要➕醤油

調味料は、何気なく使いがちですが、例えば醤油や味噌なら数ヶ月から1年じっくり時間をかけて発酵熟成させ、豊かな香りやまろやかな味を生み出します。出汁を取る煮干しや昆布、鰹節も同様です。そう考えるとたった一杯の味噌汁にも多くの時間と手間がかけられていることがわかります。こうした日本古来のものだけでなく、近年では食の多様化によって外国の様々な調味料がスーパーにも並ぶようになりました。使ったことのないスパイスや油を駆使して未知なる味覚にチャレンジする楽しみが身近になったのです。とは言えどんなに良い調味料も使い方を間違えると風味が飛んだり焦げ付かせたりと、せっかくの魅力を殺してしまうことになりかねません。文字通り味を決めるものだからこそ、調味料についてよく知り、発する声に耳をすませてみましょう。原材料やルーツ、使い方の基礎などを正しく把握するだけでも、何気なく使ってきた調味料との付き合い方がより良い方向へと変わっていくはずです。そこからもっと深い食材と調味料の真の魅力や豊かな味わいを発見できるでしょう。

醤油

シャープな旨味の万能調味料

●主な原料  大豆、小麦、麹、塩
●効果 
・肉や魚の匂い消し。アミノ酸の1種の働きで生臭みを消す。
・食材の保存性アップ醤油の塩分や有機酸が大腸菌の増殖を防止する。
・うまみアップ醤油+かつおだしは旨味の相乗効果が得られる
・香ばしい香り付け醤油+糖分を加熱すると香りと照りが出る
・保存方法酸化が大敵。開栓後はしっかり蓋を閉めて冷蔵庫へ。瓶に対して量が減ってきたら小瓶に詰め替えてもオーケー。

日本を代表する調味料と聞いて誰の頭にもまず浮かぶのは醤油ではないでしょうか。醤油のルーツは鎌倉時代に中国から伝わったきん山寺味噌の液汁と言われており、江戸時代以降日本人向けに改良されて、現在の醤油が出来上がりました。美しい色とふくよかな香り、そして甘味、塩味、酸味に苦味、うま味という「五元味」を持ち合わせた、類まれなる万能調味料として、今や日本だけでなく世界中から注目されています。

醤油の種類

濃口 明るい赤褐色の香り高い醤油。大豆にほぼ同量の小麦を混ぜて作る。加熱料理のほか、漬け醤油、かけ醤油に使われる。

淡口 
塩分は濃い口醤油よりもやや高め。色が淡いので、食材の色を生かした炊き合わせや含め煮、お吸い物などに。

たまり とろみとコクのある味。独特の香りが特徴。照り焼きやせんべいに。刺身醤油としても使われる。主な生産地は中部地方。

再仕込み 生しょうゆにさらに麹を仕込んで作るだけに色、味、香りはいずれも濃厚。つけ醤油、隠し味に使われる。山口県柳井市発祥。 

白 淡口醤油よりもさらに色が薄い。味は淡白だが特有の香りがあり、お吸い物や茶碗蒸しなどに使われる。主産地は愛知県。

風味も色も濃淡様々な5種類の醤油

私たちが日々使うもの以外にも、個性の異なる様々な醤油が作られています。種類は日本農林規格によって、濃い口醤油、淡口醤油、たまり醤油、再仕込み醤油、白醤油の5つに分類されます。国内消費量の約84%を占めるのが濃い口醤油で、麹に小麦を混ぜてつくります。約13%を占めるのが関西から全国に広まった淡口醤油です。

製造方法は濃い口とほぼ同じですが色を薄く仕上げます。残りの約3%に小麦を使わず蒸した大豆を熟成させて作るたまり醤油や、醸造した生の醤油に再び麹を混ぜて発酵させる再仕込み醤油、精白した小麦に少量の大豆を加えて作る白醤油など、地方色豊かなものが含まれます。

発酵の力が醸し出す豊かな味と香り 

醤油の塩分が海水よりも濃いと言うのは有名な話。それにもかかわらず塩辛く感じないのは、発酵により生まれた旨味や香りを豊かに含むからです。ここで言う発酵とは、微生物の働きで食べ物をより人間のためになる形に変えること。味噌や酢、納豆など日本には発酵食品がたくさんあります。中でも私たちの食卓に欠かせないものが醤油です。麹菌、乳酸菌、酵母の3つの微生物の働きによって作られる醤油は、アミノ酸やグルタミン酸をはじめとしたうまみ成分がぎゅっと凝縮されています。また、複雑な香りも特徴的です。バラやヒヤシンスといった花の香りから、パイナップルなどのフルーツ、肉といったものまで300種類ほどの香り成分を含んでいます。

トマトソースに大さじ1
トマトに含まれるうまみ成分は醤油と好相性。酸味が抑えられて香りがふくよかになり、ぐっと本格的な仕上がりに。

切身魚は味付け冷凍
魚の切り身は、味付けして冷凍すると、味が染み込み美味しくいただける。醤油酒みりんが2対2対1の合わせダレにつけ込んで。

醤油が先、卵かけご飯
醤油の香りを楽しみたいならご飯にまず醤油をかけて混ぜ後から溶き卵をかけよう豊かな香りを良く感じられるようになる。

卵の黄身は醤油漬けに
お菓子などで卵白だけ残ったら、卵黄は醤油漬けにしよう!2〜3日でねっとりおいしいおつまみに。

番茶に一滴でバラの香り
醤油には、果物やバラと同様の香り成分がある。番茶に一滴たらすと香りが増す上、すっきりした味わいに。

焼きそばをカリッと焼く
あんかけ焼きそばの麺を焼く前に、濃い口醤油を全体的にまぶそう。油を引いた中華鍋で両面を香ばしく焼けばプロの味わいに。

参考文献 「素材喜ぶ 調味料の便利帳」 高橋書店 高橋秀雄著

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🍷イタリアワインについての基礎知識② 歴史

古代

イタリアでは原始的なワイン作りはすでに紀元前2000年以上前から行われていたが、本格的なぶどう栽培を伝えたのはギリシア人とエトルリア人である。紀元前8世紀からイタリア南部のシチリア、カラブリア、プーリアなどを植民地化したギリシア人は、今日でも栽培されている多くのぶどう品種を持ち込むと同時に、優れた栽培法、醸造技術を持ち込んだ。今日のアルベレッロの原型となった一株立ての栽培法も、ギリシア人が普及させたものである。

ポー河以南からローマ北部に至るまで、イタリア中部の広い範囲を支配していたエトルリア人は、起源がいまだにわからない神秘的な民族だが、建築、製鉄などの高い技術を持ち紀元前8世紀から1世紀にわたり洗練された文明を繁栄させた。エトルリア人も本格的な栽培、醸造技術を持っていたが、彼らの栽培方法はギリシャとは全く異なり他の樹木にぶどうの蔓を絡ませるマリタータと呼ばれる方法で20世紀の初めまでウンブリア州などで見ることができた。エトルリア人は通商に優れた民族で、地中海の広い範囲でワインの通所を行っていた。

戦争に明け暮れていた初期の古代ローマ人は、非常にストイックな民でワインにはあまり興味を示さなかった。それどころか、女性がワインを飲む事は厳密に禁止されていた事は有名である。ところがポエニ戦争も勝利に終わり国力が伸び生活が豊かになったころからワインも盛んに飲まれるようになる。
概して古代ローマ人は他の文明の優れたところを導入して発展させるのが得意であったが、ワイン作りも例外でなく自分たちより進んでいたギリシャ、エトルリアの両文明からいいとこ取りをして、自家薬籠中の物とした。そして最大の功績はローマ帝国の拡大とともにぶどう栽培、ワイン作りをヨーロッパ中に普及させたことである。その範囲は今日のドイツ、フランス、スペイン、北アフリカはもちろんイギリスの一部にも及んでいる。

ワイン文化も発展し、ヴェルギリウス、ホラティウスなど多くの詩人がワインをたたえている。大プリニウスの有名な「博物誌」にもぶどう、ワインについての詳細な記述があるが、それが具体的にどのようなワインであったかは想像に頼るしかない。どちらにしても今日のワインとは全く異なるもので、甘口が多く、スパイス、ハーブ、蜂蜜、海の水などを加えて飲まれることが多かった。
当時人気があったワインとしてはファレルヌム、カエクブム、マメルティヌムなどが知られている。ワインの通称も盛んでアンフォラに詰めて船で地中海全域に運ばれた。北ヨーロッパでは木樽の使用も始まっていた。
古代ローマの美食へのこだわりにも強いものがあり、美食家アピキウスの「料理書」、軍人であったルキウス リキニウス ルクッルスの美食ぶりなどにそれがよく表れている。ペトロニウスによって書かれたとされる小説「サテュリコン」の著名なトリマルキオの宴のシーンの豪華な食事は、絢爛かつ退廃的な食文化を伝えてくれている。

参考文献  宮嶋勲著 「イタリアンワイン」

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🇮🇹イタリア料理について①

イタリア料理は1皿の料理の裏に歴史や風土、そして人間の生活が隠されていて、それを発見する喜びが尽きない料理です。例えば肉料理の付け合わせの定番じゃがいものロースト。肉を焼けばおいしい肉汁が天板に残ります。この時肉と一緒にじゃがいもを焼けばじゃがいもは肉汁をたっぷり吸って美味しくなり、料理のボリュームも増します。その昔肉は贅沢品だったので少量でも満足感が得られるようにじゃがいもが添えられるのが定番になったのでしょう。まさにお腹を空かせた子供たちを抱えたマンマの知恵です。今では日本でもパスタを毎週食べると言う人は少なくなく、西洋料理の中で唯一家庭料理にまで入り込んでいるのがイタリア料理と言っても過言ではありません。なぜこのようにイタリア料理が日本に受け入れられたのでしょうか。その答えは簡単です私たちがイタリア料理と呼ぶものは日常料理つまり本音の料理だからです。経済的で無駄をしない。そしておいしい。そこには日本で再び見直されている「もったいない」の精神がしっかりと生き残っています。

イタリアは古代ローマ時代ルネッサンスと西洋文化圏を二度も制覇した国。もちろん豪華な貴族のヴィッラで楽しむリストランテ料理の世界も健在です。食べると言う事は命をつなぐための作業ですが、料理はその上に生まれた人間ならではの文化です。その素晴らしさを感じている毎日がとてもありがたいと思っています。イタリアの偉大な文化に本当に心から感謝しています。

郷土色が濃くバラエティー豊かな料理

「イタリア料理とはなんですか」とイタリア人に聞くと多分こんな答えが返ってくるはずです。「イタリア料理は存在しないのです。あるのはトスカーナ料理、シチリア料理など各地方料理で、イタリア料理とはそれを総称しただけです。」イタリア料理の担い手はマンマ達。マンマの料理ではお金をかけて遠くの食材を取り寄せるなどと言う事はしません。つまり使うのは家の周りにあるもの、もしくは豆や乾物など保存の利くものとなります。山に住む人は山の食材を使って料理を作り、海に住む人は海の食材を使っています。したがってイタリア料理を知るためにはまず地形があり、そこからとれる食材があり、それを使った料理が生まれ、これが郷土料理となることを知っておく必要があります。イタリアは山岳部、湖水地方、丘陸地帯、平野部、海岸線、島部と多彩な地形で、北部と南部では全く気候が異なります。「地形+食材=料理」と言う方程式に当てはめてみれば同じような料理だけが生まれるはずがありません。また歴史的にイタリア国家が築かれるまでは各地の都市国家が形成されていて独自の文化や生活習慣があったことや、外国からの侵略者がもたらした文化も忘れるわけにはいきません。このような要因からイタリア料理を1つにまとめることのできない郷土料理の集合体となっていたのです。

偉大なるマンマの愛情あふれる家庭料理

郷土料理とは本質的にママの作った家庭料理がベースになっていると言って良いでしょう。それぞれの土地でそれぞれの家庭で代々引き継がれてきた料理は地方を代表した料理として発展していったのです。複雑な味のソースを使うのでもなく、盛り付けに特別凝るわけでもなく、食材そのものを生かして手早くできる料理が多いのも実質本位の家庭料理の特徴でもあります。例えばトマトとニンニクとオリーブオイルがあればそれぞれの家庭で天下一品の「スパゲティ アル ポモドーロ」を作ることができるのです。

料理を手作りすることが当然だと思われているイタリアでは、マンマはたっぷり愛情をかけて料理を作ります。ママの料理は家族の健康を考えて新鮮な野菜や食材を使い美味しく食べられるように料理法に工夫を凝らし、しかも経済的にも無理のない料理ばかりです。地味で素朴で気取りのない、しかし、本当においしいマンマの味が、イタリア料理を身近で魅力的なものにしているのです。

参考文献 成美堂出版 長本和子監修 「いちばん優しいイタリア料理」

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ワインについて アリアニコ

イタリアの全州で栽培されているギリシャ由来の高貴な黒ぶどうで古くはHellenicoと呼ばれていた。DOC Aglianico del Vulture、DOCG Taurasiなどをつくる。

南イタリアで古くから愛されるブドウ品種アリアニコ。
北イタリアを代表するイタリアワインの王バローロと肩を並べるほどの
高貴さと品質を持つブドウ品種で、しばしば南のバローロと称されるほど。

アリアニコはギリシャ原産のブドウ品種で、
ギリシャから移住者によってイタリアのポッツオーリ近郊に持ち込まれ、
その後カンパーニア州やバジリカータ州に広まり、
イタリア南部では古代ローマ時代から現在に至るまで栽培される
とても古く長く愛されるブドウ品種です。
アリアニコとは、イタリア語で「ギリシャの」という意味の「エレニコ(Ellenico)」が
由来で、もともとはラテン語の「ギリシャのブドウ」を意味する
「ヴィティス エレニカ(vitis hellenica)」からきています。
バジリカータ州では、アリアニコを用いたDOCGの
アリアニコ・デル・ヴルトゥレ・スペリオーレや、
カンパーニア州のタウラージ村周辺で造られるアリアニコのDOCGである、
タウラージが有名です。
近年では、オーストラリア、テキサス、カリフォルニアでも栽培されています。

南イタリアのカンパーニア州とバジリカータ州がアリアニコの2大産地です。
カンパーニア州のタウラージ
1993年に南イタリア初のDOCGワインに認定されました。
パワフルで芳醇な味わいと評され、法定熟成期間が3年とバローロ並の熟成を経て、
ようやくリリースされる熟成型のワインのため、「南のバローロ」と称され、
上質なものなら20年以上の熟成にも耐えうるワインです。
ブラックチェリーやプラムといった黒系果実に、スミレ、チョコレートなどの
複雑なアロマがあり、豊富なタンニンと酸で、アルコール度数が高いものが多く、
しっかりとした骨格のパワフルな味わいです。
バジリカータ州のアリアニコ・デル・ヴルトゥレ
1971年にDOC指定された地区で、バジリカータ州では最初のDOC認定となりました。
約80万年前に噴火し堆積した溶岩が土台となった土壌で育つアリアニコは、
濃いルビー色が特徴的なパワフルな赤ワインを造りだし、
深みのあるミネラル感と滑らかなタンニンに、南イタリアならではの豊かな果実味が加わり、
ヴィンテージによっては10年以上の熟成にも耐えられるワインで、
古くから王侯貴族に親しまれてきました。

アリアニコは日照量が多く、乾燥した気候を好みむ品種で、
成熟は比較的遅く、イタリア南部では11月頃に収穫されます。
ウドンコ病には強い耐性を持っていますが、
カビ病への耐性は弱いため、貴腐菌をつけることはできません。
火山性土壌に適しており、イタリアのバジリカータ州の
アリアニコ・デル・ヴルトゥレは、マグネシウムやカリウムや
カルシウムなどのミネラルを豊富に含む火山性土壌のため、
ミネラル感のある力強いアリアニコが育ちます。

アリアニコの特徴はなんと言ってもそのパワフルなタンニンです。
しっかりとした酸も持っているため、若いうちは酸とタンニンが強く、
少し飲みづらさを感じるものもあるかもしれません。
もし、酸とタンニンが強すぎて飲みづらいと感じたら、
デキャンタージュすることをおすすめします。
酸素に触れることで味わいがまろやかになり、香りも増します。
アリアニコは、その豊富なタンニンから熟成するにしたがい、
しっかりとしたボディのまろやかな上質なワインへと変わっていきます。
スミレのような花の香りに、プラムやブラックチェリーやベリーといった
黒系果実のアロマが混ざり、熟成につれて黒トリュフやなめし革や
ビターチョコレートやコーヒーなどの深みのある味わいになります。

参考文献  宮嶋勲著 「イタリアンワイン」   ワインショップソムリエ  https://wsommelier.com/note/

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『からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て』

こちらでは、お勧めの書籍をわかりやすく解説してくれているYouTubeチャンネルの動画を更にコンパクトに要約しご紹介しています。

今回は、

本解説のしもん塾【プロ読書家】

『からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て』大森一慧(おおもりかずえ)/著 
食べ物で「性格」が変わり、あらゆる「体の悩み」も解決する!
ポイントは「まるごと命を頂く」こと。

です。

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『からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て』
大森一慧(おおもりかずえ)/著 

 食べ物で性格が変わり、あらゆる体の悩みも解決する! 

ガンや糖尿病など重い病気に苦しんでいる人もいれば、冷え性や便秘や偏頭痛、鬱・イ・ハゲ・肌荒れ、とかに悩んでいる人も多い。
これらは全て、「食が自然から離れたことが原因」だと著者は言う。
さらに、それだけではない。「人間性さえも、食べてるものによって左右される」と、著者は言う。
では、自然から離れない、「自然に合わせた食事」を摂るには、どうすればいいのか?
2つある。
①その土地土地の「旬のもの」を食べること
②作物を「丸ごと食べる」こと

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まとめのまとめ

食の根本には、「命の交換。命の流れ」がある。栄養素を頭で計算するよりも、「自然と一緒に生きていく姿勢」が大切です。人工的なサプリなどには「命の輝き」を放つ作物の「溢れる生命力」が乏しい。
食で血液や内臓が改善され、性格も改善される。

●大根  まさに毒消し野菜の代表。血液を粘らせている過剰なタンパクを分解、消化する働きがある。腎臓の機能を正常に戻し、むくみを解消してくれる。
●玄米  オールマイティにバランスよく栄養を取れる食物こそ「玄米」質の良い血液を作り、体に溜まった毒素を排泄してくれる
●昆布  毒素を排泄して、体を浄化する機能がある。

中でも

★食生活によって人格は作られている。

この言葉には思わずドキッとさせられました。。。自身の食も見直そうと決意させてくれた良書です。

 

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トラットリア バール ジョルノ【イタリア食堂 ジョルノ~Trattoria Bar Giorno~Dal 2010.】
◉北堀江1丁目/四ツ橋駅徒歩5分/2010年開店
TEL 06-6532-1117
住  所:〒550-0014 大阪府大阪市西区北堀江1-16-17 アメニティ北堀江1F

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